500台限定のレヴォーグSTIスポーツ#の価格やスペックをお届け!

2023年1月13日(金)〜15日(日)まで千葉県・幕張メッセで開催された東京オートサロン2023。スバルブースでは同社のAWD車(4WD車)誕生50周年 特別記念車として、スバルのモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナル(STI)が専用チューニングしたレヴォーグSTIスポーツ#(シャープ)が公開されました。今回はそんなレヴォーグSTIスポーツ#の価格やスペックなど、カーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが詳しく解説します。

スバル レヴォーグSTI スポーツ# 東京オートサロン2023

レヴォーグSTIスポーツ#の評価

レヴォーグSTIスポーツ#の良かった点

2.4Lターボエンジンという高い動力性能に、専用装備が加わり走行安定性が総合的に高まっています。

※専用装備は「レヴォーグSTIスポーツ#の装備」にて詳しく紹介します。

レヴォーグSTIスポーツ#の気になる点

限定500台の販売台数なので、購入するなら早めの申込みが必要です。

国産モデルでは減少傾向のステーションワゴンながら、高い人気を維持するスバル レヴォーグ

ステーションワゴン(ワゴン)はセダンに比べて荷室が広く、実用的ですが、最近は車種が大幅に減りました。この背景には、ミニバンやSUVに人気が集中している現状があります。ミニバンはステーションワゴンに比べて車内が大幅に広く、3列目のシートも備わるため、多人数乗車も可能です。3列目を畳めば、大容量の荷室にもなって自転車も積めます。その結果、ミニバンはステーションワゴンの需要を奪いました。

SUVも増えました。外観の存在感が強く、悪路の走破も可能で、車内もステーションワゴンと同等かそれ以上に広いです。ミニバンとSUVが充実した結果、ステーションワゴンは日本だけでなく海外でも売れ行きを減らしました。そのために各メーカーともステーションワゴンの開発には消極的で、今の国産ステーションワゴンは4車種まで減っています。

しかしステーションワゴンの魅力まで衰えたわけではありません。ステーションワゴンはボディの後部にリヤゲートを備えて、荷室面積も十分に確保されるため、荷物の出し入れがしやすいです。しかも天井の高さは基本的にセダンと同等ですから、ミニバンやSUVに比べると重心が低く、走行安定性も優れています。そこで日常的に高速走行を頻繁に行う欧州のメーカーは、今でもステーションワゴンを豊富に用意しています。

そしてスバルは、水平対向エンジンや独自の4WD(スバルはAWDと呼びます)システムを用意して、以前から走行安定性を高めてきました。スバルのクルマ造りと低重心のステーションワゴンは親和性が高く、レガシィツーリングワゴンが長年にわたり、代表車種として高い人気を保ってきました。

その後継車種として投入されたのが、ミドルサイズワゴンのレヴォーグです。エンジンは水平対向4気筒の1.8Lと2.4Lで、両方ともターボを装着しています。駆動方式は4WDのみです。

レヴォーグの2.4Lターボは、スバルのスポーツセダンであるWRX・S4と同じ高性能エンジンを搭載し、ワゴンスタイルによる重心の低さを生かして走行安定性を向上させた国産ステーションワゴンでは動力性能が最も高いモデルです。

そのため、スポーツ指向の特別仕様車も用意されています。それが「レヴォーグSTIスポーツ#」です。

レヴォーグSTIスポーツ#の価格

後述しますが、各種の装備や色彩を変更して、レヴォーグSTIスポーツ#の価格は576万4000円です。ベースグレードのレヴォーグSTIスポーツR・EXは482万9000円ですから、レヴォーグSTIスポーツ#の価格は93万5000円高いです。

この価格アップは高めと受け取られますが、STI製のフレキシブル・ドロー・タワーバーやフレキシブル・ドロー・スティフナー、19インチタイヤなどの専用セッティングが、価格の上乗せに大きく影響しているでしょう。レカロ製のシートも高コストです。そう考えると576万4000円の価格も特別高いというわけではありません。

レヴォーグSTIスポーツ#の発売時期

レヴォーグSTIスポーツ#は、500台の限定販売です。2023年1月26日〜5月12日まで、スバルの販売店で注文を受け付けます。受注期間内でも、500台に達すると受注を終了するため、購入するなら早めに申し込むと良いでしょう。販売台数が少ないために、量産効果が発生しにくく、価格が高額になった事情もあります。

レヴォーグSTIスポーツ#のボディサイズ/スペック表

レヴォーグSTIスポーツ#のエンジン

レヴォーグSTIスポーツ#の搭載するエンジンは、ベースグレードのレヴォーグSTIスポーツR・EX同様、動力性能の高い2.4Lターボエンジンで、最高出力が275馬力(5600回転)、最大トルクは38.2kg-m(2000〜4800回転)。ターボを装着しない自然吸気エンジンならば3.5Lに相当します。

レヴォーグSTIスポーツ#の装備

レヴォーグSTIスポーツ#のベースになったグレードは、2.4Lターボエンジンを搭載するSTIスポーツR・EXです。レヴォーグの最上級グレードですから、ショックアブソーバーの減衰力を変化させる電子制御システム、高度な運転支援を行うアイサイトX、11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステムなどを標準装着しています。

特別仕様車のレヴォーグSTIスポーツ#になると、さらに専用装備が加わります。まずはSTI製フロント・フレキシブル・ドロー・タワーバーを装着しました。左右のフロントサスペンションの頂点を結ぶことで、カーブを曲がったりする時に、横方向の剛性を高めます。ステアリング操作に対する車両の反応を正確にして、安定性も向上させました。

タワーバーの中央にはリンクボールが装着され、路上のデコボコを通過した時などは、衝撃をしなやかに吸収します。ドロー・スプリングも備わり、予めテンションを掛けているため、いわゆる遊びが減っています。その結果、ドライバーの運転操作に対して、車両が遅れずに反応します。乗り心地も含めて、運転感覚を上質にグレードアップさせています。

STI製フレキシブル・ドロー・スティフナーも、ボディの前後に装着されています。これも予めテンションを掛けて遊びを抑え、4輪の接地性や操舵感覚を向上させます。

タイヤは、ベースグレードのレヴォーグSTIスポーツR・EXは18インチを装着していますが、レヴォーグSTIスポーツ#では、19インチ(225/40R19)に変更されます。銘柄はミシュラン・パイロットスポーツ5です。レヴォーグSTIスポーツ#は、STI製フレキシブル・ドロー・タワーバーやフレキシブル・ドロー・スティフナーを装着していますから、走りのバランスを考慮してタイヤの性能も引き上げられました。スプリングや電子制御式ショックアブソーバーといったサスペンションの主要部分は、ベースグレードのレヴォーグSTIスポーツR・EXと共通です。

レヴォーグSTIスポーツ#の走行性能

これらの変更と綿密なセッティングにより、走行安定性が総合的に高まりました。ステアリング操作など、ドライバーの運転に対する反応も、わずかな遅れまで払拭されて一層正確になっています。足まわりが正確に作動するので、乗り心地にも適度な引き締まり感が伴い、不快感の発生を抑えています。

トランスミッションはチェーン式のCVT(無段変速AT)で「スバルパフォーマンストランスミッション」と呼ばれています。レヴォーグSTIスポーツ#では、この機能にオイルクーラーも加えました。峠道などを走って負荷が高まると、トランスミッションの油温も上昇します。そこでオイルクーラーを装着したわけです。専用の制振材もスペアタイヤパンと荷室に備えることで、快適性を向上させています。

レヴォーグSTIスポーツ#の外観(エクステリア)

外観では、フロントグリルを漆黒メッキにしたり、フロントバンパーなどはブラックに塗装しています。主に色彩を変えました。

レヴォーグSTIスポーツ#の内装(インテリア)

内装では前席をレカロ製に変更しています。シート生地は、後席を含めてウルトラスエード&合成皮革です。スマートリヤビューミラーは、ベースグレードのレヴォーグSTIスポーツR・EXではメーカーオプション設定ですが(オプション価格は5万5000円)、レヴォーグSTIスポーツ#には標準装着されています。

レヴォーグSTIスポーツ#のボディカラーは全4色展開

レヴォーグSTIスポーツ#購入希望者は販売店に急げ!

先述の通り、レヴォーグSTIスポーツ#は受注期間内でも、500台の限定台数に達すると受注を終了するため、購入するなら早めの申込みが必要です。購入希望の方は販売店にお急ぎください。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:MOTA編集部/SUBARU】

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