降雪、強風... 県内に混乱 170件超のスリップ事故や転倒 3人重軽傷【動画】 寒波到来で24~25日

軽トラックとトラックが衝突した事故現場=25日午後2時5分、宇都宮市上横倉町(画像は一部加工しています)

 強烈な寒波に伴う降雪や強風の影響で、栃木県内では24~25日にかけ170件超のスリップ事故のほか転倒などが頻発し、少なくとも3人が重軽傷を負った。那須塩原市で武道館の屋根が剥がれ落ちる被害のほか、各地で雪や倒木などによる鉄道や道路のトラブルも続出。県北を中心に休校も相次ぎ、今季1番の冷え込みは大きな混乱をもたらした。

 警察や消防、JR、県、各市町などによると、25日午後、宇都宮市上横倉町の国道293号で鹿沼市、農業男性(69)の軽トラックが一部凍結した路面でスリップして対向車線のトラックと衝突した。男性は鎖骨や肋骨(ろっこつ)を折るなどの重傷を負った。

 また宇都宮市内で同市、女性(59)が自転車で転倒し、左脚を打撲。同市、男性(68)も凍った道路で転び、頭部を打撲した。

 車両のスリップ事故は24日正午~25日午後4時までに173件発生した。このうち、冬用タイヤなど滑り止め未装着が50件だった。

 那須塩原市上厚崎の「石川スポーツグラウンドくろいそ武道館」では24日夜、強風の影響で鋼板の屋根が約500平方メートルにわたりはがれ落ちた。利用者が「屋根から大きな音がする」と管理事務所に知らせた。那須塩原市は25日も施設利用を中止した。

 JR日光線では同日朝、今市-日光駅間で下り普通電車の車輪が空転するトラブルが起きた。同区間で運転を見合わせ、上下線で運休と遅れが出た。レールの凍結が原因とみられ、復旧まで約6時間を要した。

 宇都宮線では夕以降、黒磯と宇都宮駅で車両のドアや連結部分が凍って動かなくなる不具合があった。東北新幹線那須塩原駅構内でも午後、ポイント装置に雪や氷が挟まり線路が切り替わらなくなり、約1時間40分後に復旧した。鉄道の乱れは5千人超に影響した。

 東北自動車道と北関東自動車道の一部区間で速度規制が行われ、宇都宮や日光市、茂木町などの国道、県道で倒木や車両事故による通行止めが相次いだ。

 25日は県立高7校が休校、同6校と足尾小中が始業を遅らせた。26日も大田原女子高と那須特別支援学校が休校とし、始業を遅らせる県立高や小中学校もある。

強風で屋根がはがれた武道館=25日午前11時40分、那須塩原市上厚崎
雪が降る中、肩をすくめて通勤通学する人たち=25日午前7時25分、JR宇都宮駅西口

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