大量消費からの脱却は急務…「衣類の再資源化」の促進と、その前にやるべきこと

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。1月10日(火)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、衣類の再資源化促進に関するニュースを取り上げました。

◆衣類の再資源化に向けて環境省も本腰に

環境省は、着なくなった衣類を手軽に回収に出せる仕組み作りに向け、実態調査を開始。衣類は製造工程で大量の水を使い、二酸化炭素の排出も多いことから、古着の利用や再資源化を進め、環境への負荷を軽減する狙いがあります。

調査は、国内10程度の自治体や店頭で衣類を回収しているアパレル企業約10社などが対象で、回収方法や収集量、再資源化の方法などを聞き取ります。

環境省の推計によると、国内で2020年に供給された衣類は約82万トン。一方、手放された衣類は79万トンほどで、このうち3分の2にあたる約51万トンが廃棄されており、大量消費や大量廃棄からの転換が急がれます。

◆環境問題に取り組むZ世代の提案は?

環境問題に取り組むFridays For Future Tokyoオーガナイザーの黒部睦さんは「再資源化は大事」としつつも「まずは"リユース”が大前提にあったほうがいい」と話します。再資源化となると、洋服をポリエステルに戻し、再度作るにしても電力などを使用するからです。「まずは地域で洋服を共有し合うなど、そうした企業が増えれば」と語り、そうしたことを全てやり切った上で、もう誰も着られなくなった洋服を再資源化することこそ大事だと訴えます。

キャスターの堀潤からは「まだ着られるけど眠っている洋服をもう一度自分のなかで価値を見出すためにはどういう方法があるか?」との質問が。黒部さんがこの日着用していた洋服は、姉が子どもの頃に着ていたものをリメイクしたものだそうで、このようにリメイクができるものはリメイクして着たり、もう着られなくなったものであれば着られる小さな子どもがいる方に譲ったり「自分に需要がなくても、他の人にはあったりするので、トレードするのも良いと思う」と提案。

また、堀は先日アパレルメーカーの方と話をしていた際、"食育”ならぬ"服育”をやりたいと言われ、そこで、小学校の頃から洋服の成り立ちやデザインについて学ぶ重要性を聞いたことを紹介。

株式会社ABABA代表の久保駿貴さんは、リサイクル市場について言及。洋服のリサイクル市場は2027年までに76億ドルに達すると言われており、Z世代でもその領域に挑戦している経営者は多いと久保さん。

それを聞いた堀は「ビジネスチャンスがまだあるんですね」と感心。久保さんは「アメリカでは40億ドルを調達するスタートアップもあったり、この産業は伸びると言われている」とし、そうした分野に今回、政府や環境省が介入してきたことを喜びつつ「政府はこうした類のビッグデータをたくさん持っていると思うので、環境の要因と照らし合わせながら日本のベンチャーと連携し、今後より市場が盛り上がってほしい」と望みます。

黒部さんも久保さんに賛同しつつ、とりわけ大企業ではなく中小企業や地域に根付いた企業にその一因を担ってほしいと熱望。「サステナブルな洋服を大量に作り、セールで販売していた企業もあったが、そうなると本末転倒。地域に根付いた企業やベンチャーにぜひ頑張ってほしい」と期待していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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