防災教育施設新設へ 総合運動公園内に 県が新年度、計画策定着手

県庁

 県は25日までに、総合防災拠点に位置付ける県総合運動公園(宇都宮市西川田4丁目)内に、防災学習教育施設を新設する方針を固めた。現在の県防災館(同市中里町)は開館から30年たって老朽化しており、新施設には仮想現実(VR)などの先進技術を取り入れ、災害の怖さや避難行動を疑似体験できる装置の導入などを検討している。

 同公園内には災害時の救援物資の備蓄倉庫や野営場、自家発電設備などが既に整備されている。近年の気候変動による災害の激甚・頻発化を踏まえ、園内に県民の防災意識向上に役立つ教育施設も整備することとした。

 2023年度一般会計当初予算案に、基本計画策定費として約1200万円を盛り込む方針。民間業者に委託して計画策定に着手し、有識者の意見も聞きながら施設の規模や開館時期、設備内容などを詰める。

 県防災館は1992年10月、県消防学校の移転と同時に開館。30年が過ぎ、地震や大雨、強風の体験型装置が耐用年数を超えたほか、災害への備えや避難行動の検討につながる設備が乏しいという課題があった。

 開館当初は年間約3万5千人が訪れたが、新型コロナウイルス感染拡大前には約2万5千人に減少し、コロナ禍を受けてさらに落ち込んでいた。

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