ヒートショック注意、対策を 栃木県、リーフレット配布

 急激な温度変化が体に負担を与える「ヒートショック」を防ぐため、栃木県保健福祉部は注意点をまとめたリーフレットを3年ぶりに改訂し、市町などに配布している。栃木県は脳卒中や心疾患の死亡率が高く、冬に死亡率が高まる。10年に1度の強烈な寒波が流れ込む中、同部は「家の中の温度差を小さくするなどの対策を取ってほしい」と呼びかけている。

 ヒートショックは暖かい部屋から寒い部屋(脱衣所や浴室、トイレなど)への移動が主な原因となる。栃木県の冬は冷え込みが厳しい一方、高断熱住宅などの普及率が低いとされ、冬季(12月、1〜3月)の死者が大幅に増える。2014年には冬季の死者数が4〜11月の1.25倍となり、増加率が全国ワーストだった。

 リーフレットは自治医大付属病院循環器センターの苅尾七臣(かりおかずおみ)センター長が監修し、リスクが高い場面をイラスト付きで紹介。「室温は18度以上に」「トイレや脱衣所にヒーターなどの設置を」「風呂の温度は41度以下で入浴は10分以内」と推奨している。同部担当者は「普段から血圧を記録し体調を確認することも大切」と話している。

 リーフレットは2万部作製。市町や各健康福祉センターで配布し、県ホームページでも閲覧できる。

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