梅毒感染急増 22年、栃木県内152人 過去最多を更新

 性感染症「梅毒」の2022年の栃木県内感染者数は152人(速報値)で、過去最多を更新したことが26日までに、県のまとめで分かった。これまで最も多かった21年の114人の1.3倍に上る。県は、交流サイト(SNS)やマッチングアプリで不特定多数の人と出会い、性行為をすることが背景にある可能性を指摘し、「コンドームの使用による予防と早期の発見、治療が重要」と注意を呼びかけている。

 県感染症対策課によると、22年の感染者は男性101人、女性51人。男性は30代が28%で最も多く、20代が21%、40、50代が各17%と続いた。女性は20代が29%で最多。次いで40代が27%、30、50代16%だった。 梅毒は細菌の「梅毒トレポネーマ」に感染することで発症する。性行為やキスなどで感染し、性器や口などにしこりができたり、全身に発疹が出たりする。

 放置すると脳や心臓に重い合併症を起こす可能性もある。妊娠中に感染すると胎児に感染することがあり、流産や死産に至る恐れもある。早期に発見し、治療をすれば完治する。

 

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