孤立した妊婦支えるシェルターを 岡山のNPO、CFで資金募る

シェルターの開設に向け支援を呼び掛ける小林理事長(左)ら

 岡山県内の助産師や保健師らでつくるNPO法人「妊娠しぇるとSOS」(岡山市)は、望まない妊娠などで孤立した妊婦が一時宿泊できるシェルターを同市内に開設する。医療・行政機関と連携しながら自立をサポートする県内初の施設になるという。4月の運用開始を目標に、土地、建物の購入資金の一部をクラウドファンディング(CF)で募っている。2月11日まで。

 同NPOは2022年2月に発足。社会福祉士や公認心理師、弁護士らがメンバーに加わり、メール、電話による年中無休の相談活動のほか、病院に同行したり、行政機関での手続きを手伝ったりしている。

 これまでに「生理がこない」「避妊に失敗したかも」といった悩みが寄せられたほか、「生んで育てたいが住むところがない」「妊娠したが誰にも打ち明けられない」など、より深刻な状況に置かれたケースも少なくなかったという。

 頼る先がなく、居場所を失った妊婦が安心して将来を考えられる場所になればと、同NPOは一時宿泊所「しぇるとのおうち」を計画、昨年秋に岡山市内の中古住宅(2階建て)を土地と合わせて購入した。1階はキッチンなど共有部分、2階は居住スペースとして2世帯分を用意。スタッフが日常生活を支援するほか、出産後を見据え、関係機関と連携し解決策を探る。

 開設準備を進めている小林智子理事長(59)は「とても日当たりが良い物件で、心身共にリラックスできると思う。『あなたは一人じゃない』と励ましながら、母子にとって最良の答えを一緒に見つけたい」と話している。

 目標額は1千万円。CFは山陽新聞社や中国銀行などが運営する「晴れ!フレ!岡山」を活用。返礼品として感謝のメールやプロジェクト報告書を送る。

 支援の詳細は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/sheruto-1)。

「しぇるとのおうち」の共有部分

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