岡山大病院 コロナ交付金過大受給 19億円超か、国に返還手続きへ

岡山大学病院

 新型コロナウイルス患者が入院する病床を確保した病院に支給される国の交付金について、岡山大病院(岡山市北区鹿田町)が2020、21年度に計19億数千万円を過大に受給した可能性があることが26日、関係者への取材で分かった。近く岡山県が立ち入り調査し、過大請求額を確定した上で返還手続きを進める。

 交付金はコロナ患者に対応する病院の支援が狙いで、確保病床のうち、埋まらなかった空床や休止を余儀なくされた病床の数や区分に応じて、厚生労働省が都道府県を通じて支給する。県によると、20、21年度は県内で延べ130医療機関に計約507億円が支給された。

 岡山大病院によると、21年1月から22年3月にかけ、休止病床について実際よりも高額な病床単価で申請した。交付された総額約72億円のうち、4分の1が過大受給にあたるとみられる。昨年11月、病院の自主点検で発覚し県に報告した。「意図的な過大請求ではなかった」と説明している。

 交付金を巡っては、会計検査院の抽出調査で全国106医療機関のうち、9都道府県の32医療機関が20年度に計55億円を過大受給していたことが判明。厚生労働省が昨年11月、都道府県を通じ交付対象となっている全国の医療機関に自主点検を指示していた。

 岡山大病院の前田嘉信病院長は「誠に遺憾であり、心より深くおわびする。今後は事務処理のチェック体制をより一層強化するなど再発防止に全力で取り組みたい」とコメントしている。

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