相模川挟んだ平塚・寒川のツインシティ 平塚側、28日に「まちびらき」 新幹線新駅誘致見通し立たず

建設される大型商業施設(右)。左は物流施設=平塚市大神

 相模川を挟んだ平塚市大神地区と寒川町倉見地区で一体的なまちづくりを行う「ツインシティ整備事業」を巡り、平塚側の新たな街の完成が間近となっている。物流施設が次々開業し、小学校も移転、春に大型商業施設もオープンする。28日には「まちびらき」記念式典が行われる。一方、本来の目的である新幹線新駅誘致や寒川側の整備はまだ見通しすら立っていない状態で、事業全体の先行きは不透明となっている。

 ツインシティは東海道新幹線の新駅を県央部に誘致しようと、候補地としてしのぎを削った平塚市大神地区と寒川町倉見地区を橋でつないで整備する「双子の新たなまち」。1997年にツインシティ構想を前提として新駅誘致地区が倉見地区に決まった。

 平塚側では市の「北の核」と位置付けて市や土地区画整理組合などが準備を重ね、2015年に着工。国道129号沿いの68.8ヘクタールに現在は物流施設6棟が建ち、市立相模小学校も移転、イオンモールの大型商業施設「THE OUTLETS SHONAN HIRATSUKA(ジ・アウトレット湘南平塚)」も春にオープンする。

 物流施設はさらに3棟建つ予定で、大型の産業系用地は埋まったという。24年度には住宅建設も始まる。

 新たな街は最終的に人口3300人、6千人の雇用創出が見込まれている。市は経済効果として25年度の換地処分後10年間で累計約6100億円と試算。すでに本年度は19年度と比べ地区内の新規課税額が約3億5千万円増加しているという。落合克宏市長も「県、市にとって意義ある街が完成した」と感慨深げだ。

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