臨海副都心で次世代の移動手段を体験するイベント開催 スーツケース型やベンチ型も

次世代の移動手段を体験できるイベントが台場など臨海副都心エリアで開催中です。AIなど使った最新技術が集結しています。

未来の移動手段を身近に感じるイベント「次世代モビリティのまち体験」が港区と江東区にまたがって開催中です。イベントではお台場の公園の中を自動運転のEVバスが走っていたり、一般道を走行する自動運転のバスなどに乗ったりすることができます。さらに会場の中には、目が不自由な人でも目的地まで自動で誘導してくれる「スーツケース」も紹介されました。開発中のナビゲーションロボット「AIスーツケース」は行きたい場所をあらかじめ設定すると、持ち手を握っているだけで目的地まで案内してくれます。スーツケースの中にはコンピューターやバッテリーなどがぎっしりと詰まっていて、スーツケースを動かすというよりもスーツケースに案内されるような感じで前に進んでいきます。

さらに、足腰に自信がない人に向けて、高齢者なども家族と一緒に観光地を回れるようにする「ベンチ型モビリティー」も実験中です。ベンチ型になっているため、観光地などで座りながら目的地まで連れて行ってくれるというものです。開発を行う企業は、こうした乗り物を活用することで観光地に訪れた人の行動範囲が広がり、さらなる活性化につながることを期待しています。

イベントを開催するDIC協議会の小原昌会長は「モビリティーをそれぞれ楽しんでもらう点でいうと、それぞれターゲットにしている人は違っているが、さまざまな人にたくさん来て楽しんでもらいたい」と話しています。

「次世代モビリティのまち体験」は2月6日までの開催です。

<未来の移動手段「自動運転」は可能?>

未来の移動手段の中心として開発が進んでいる「自動運転車」についてまとめました。

自動運転は性能によってレベル1から5段階に分かれています。「レベル1」は障害物に反応する自動ブレーキや、車線をはみ出さないといった前後・左右のどちらか一方の運転補助機能です。「レベル2」になると、レベル1の機能を組み合わせて、一定条件の下で運転中にハンドルから手を離すことが可能になります。このレベル2まではあくまで「運転支援機能」であって、ドライバーが運転主体となって操作します。

一方レベル3からはドライバーではなく、自動運転のシステムが運転操作の主体となります。「レベル3」では自動運転システムが作動している時はスマホの操作などが可能になりますが、車から"運転を交代するよう”アラートが出た場合はすぐ対応しなければいけないので、例えば自動運転中に寝ることはできません。「レベル4」になると"条件が整えば”ドライバーがいなくても走行が可能になり、「レベル5」は完全にハンドルやブレーキ、アクセルペダルが必要なくなります。

レベル3以上の自動運転がいつごろから私たちの生活の一部になっていくのかというと、実はルールづくりは着々と進んでいるのです。2020年に道路交通法で「レベル3が解禁」となりました。そして、2022年にはレベル4を解禁する改正案が国会で可決され、2023年中にも公安委員会に申請して許可されればレベル4の自動運転が可能になります。レベル5の自動運転の技術開発も現在、さまざまなメーカーで進んでいますが、万が一事故が起きた場合の「責任の所在」など、さらなる法整備が今後の課題となっています。技術開発だけでなくルールづくりも大切になってきそうです。

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