長崎スタジアムシティにBPOセンター新設へ トランスコスモス 3年で400人雇用

 企業の業務を受託するBPO事業大手トランスコスモス(東京)は26日、長崎市幸町に来年開業予定の「長崎スタジアムシティプロジェクト」のオフィス棟に、県内4カ所目のBPOセンターを新設すると発表した。3年間でIT人材など約400人の雇用を予定し、うち9割を地元採用する方針。
 県内は現在、長崎市2カ所、佐世保市1カ所で計約1200人が就労。企業の総務や経理、人事などのバックオフィス業務を受託し、生産性向上につなげている。
 新センターは、BPOとデジタルトランスフォーメーション(DX)を融合したサービスを提供する「フラッグシップ(旗艦)センター」と位置付け、AIの研究開発にも取り組む。オフィス棟9階の全て約2300平方メートルに入居する。
 同社は1966年創業。国内に71拠点、海外に101拠点を持つ。2022年3月期の売上高は3540億8500万円。
 スタジアムシティプロジェクトは通販大手ジャパネットホールディングス(佐世保市)が推進。オフィス棟にはほかに、長崎大が構想する情報データ科学分野の大学院キャンパスが入居を予定している。

◎DX推進 フラッグシップに 内村弘幸専務執行役員

新拠点を「フラッグシップにしたい」と意気込みを語る内村専務=長崎新聞社

 県内4カ所目のBPOセンターを開設するトランスコスモスの内村弘幸専務執行役員は長崎新聞の取材に応じ、取引先のデジタルトランスフォーメーション(DX)も推進するBPOのフラッグシップ(旗艦)を目指すと述べた。

 -新たな入居先を選んだ理由は。
 新しいことに挑戦するという長崎スタジアムシティプロジェクトの考え方と、当社の「変革させる」という考え方がマッチした。一緒になって長崎を盛り上げたい。当社が(サッカーJ2)V・ファーレン長崎のスポンサーという縁もあった。
 多目的施設に職場があれば、一概には言えないが、従業員の心のゆとりになる。ジャパネットさんはセキュリティーの意識が高いのも理由の一つ。当社は重要なデータのやりとりも多いので、安心感がある。

 -どんな拠点を目指すのか。
 初年度は約70人の雇用を想定している。入ってくる仕事の状況によっても変わるが、計画的に採用を増やしていきたい。(取引先の)DXを徹底的に推進して、自動化できる業務はどんどん自動化する。効率化のノウハウを全国に展開させて、この拠点をBPOモデルのフラッグシップセンターとしたい。
 当社従業員の満足度を高めるために、働き方の多様化も推進したい。在宅勤務のメンバーが比較的多いが、出勤時に作業できる共用エリアを設けるなど、働きやすいようにする。離島に滞在しながら仕事ができないかも検討する。五島市のワーケーションの計画に賛同しており、将来的に拠点を設けることも考えながら、やっていきたい。


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