福井県福井市のJR福井駅コンコースに昨年9月設置された、駅弁の自動販売機が好評だ。設置2カ月ほどは補充が追い付かないほどの人気を集め、近くの店舗の売り上げが伸びる波及効果も。設置事業者は「想定以上の注目度で、購入者でなくても写真を撮って発信してくれるなどPRの面でも効果は大きい」と驚いている。
駅弁など製造販売の番匠本店(同市)などが昨年9月末、JR西日本管内の駅構内で第1号として冷蔵自販機を設置した。24時間購入できることで、これまで駅内の店舗が営業時間外だった始発や終電時間帯のニーズにも応えている。デザインは看板商品と同じ赤色を基調に金色のカニを配したもので、コンコース内でもひときわ目を引いている。
⇒【動画】かにめし、焼き鯖ずし…福井駅に駅弁の自販機、JR西日本管内で初設置
番匠本店によると、自販機内には、千円台の駅弁6種類と数百円から購入できるらっきょうなど土産物7種類を用意。駅弁は約50個を内蔵できるスペースがあるが、「最初の2カ月は1日2回補充をしても『また売り切れている』とご指摘いただくほど」(同社営業部の三井堅太郎課長)とうれしい悲鳴も。駅利用者が増える年末年始も好調で、週末を中心に売り上げが伸びる傾向にあるという。
また、同社がプリズム福井内で駅弁などを販売する「福井駅桜むすびプリズム店」は、自販機が看板のような役割を果たしてか売上額が伸長。設置後の10~12月は前年比120%ほどになったという。
三井課長は「正月を過ぎて少し落ち着いてはきたが、予想以上の反響だった」と振り返る。今後は人気商品の点数を増やすなど、季節ごとにもラインアップを入れ替える方針といい「思いとしては県内の新幹線4駅に設置できれば。新幹線開業に向けて福井のPRに貢献したい」と話した。