SDGs実践! スロープ新設 佐世保工高3年生6人が施工

自分たちで作ったスロープを紹介する生徒=佐世保市、佐工記念館

 長崎県立佐世保工業高(佐世保市瀬戸越3丁目)土木科の3年生6人が、持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みの一環で、学習したことを生かしてバリアフリー化を図ろうと、同校施設にスロープを新設した。
 取り組んだのは、「課題研究」の授業で実習助手の西山真次さん(31)のグループになった黒木渓杜(けいと)さん(18)、五島泰瑶(たいよう)さん(18)、林滉生さん(18)、樋口翔大さん(18)、藤井海生さん(17)、藤原美優さん(18)。土木を学ぶ生徒として、SDGsに貢献できることはないかと協議。校内にバリアフリー化ができていない施設があったため、車いすでも利用しやすいようスロープを設置することを決めた。
 設置場所は、本校から少し離れた場所にあり、部活動の合宿や研修に利用する「佐工記念館」(同市瀬戸越2丁目)の入り口。スロープを設置する際の法律の基準を調べ施工計画を立て、昨年5月に作業を開始した。
 まずはアスファルト舗装面をはぎ取り地盤を整備。手すりを設置するコンクリートの側面を作り、スロープ部分の表面は滑り止めのためにあら仕上げにした。専用機器を使ってする初めての作業も多かったが、昨年12月、幅1.5メートル、踊り場も含め長さ3.6メートルのスロープを完成させた。
 生徒たちは「傾斜に合わせての手すりの設置や、コンクリートを作る時の水加減などが難しかった」と振り返り、「皆で協力して完成させることができたので達成感と感動が大きい。車いすユーザーに喜んでもらえたら」と爽やかな笑顔を見せた。6人とも既に就職が内定、市役所に決まっている藤原さんは「今回の経験を、誰もが暮らしやすい町づくりに生かしたい」と目を輝かせた。


© 株式会社長崎新聞社