岡山、広島県 JR西ヒアリングへ 芸備線存廃 詳しい収支説明求める

JR芸備線の野馳駅=2022年10月3日、新見市

 JR西日本が岡山、広島県にまたがる芸備線の利用低迷区間について優先的に存廃も含めた協議を始められるよう自治体側に求めていることを受け、岡山県は27日、広島県と合同で同社に詳しい経営状況の説明を求めるヒアリングを2月1日、岡山市内で行うと発表した。国が地域公共交通の再編に向けて2023年度中の設置を目指す協議会も念頭に、継続的に開催して今後の対応に役立てる。

 ヒアリングは国、岡山、広島県、JR西から部局長級などの担当者が出席。新見、庄原市など沿線5市にも参加を要請している。

 JR西は昨年4月、1キロ当たりの1日平均乗客数(輸送密度)が2千人未満の芸備線など17路線30区間を公表。両県はヒアリングで、芸備線の利用低迷区間の運輸収入、営業費用、損益額の詳しい内訳や管内全体の経営状況について説明を求める方針で、「黒字路線の収益で赤字路線をカバーする内部補助が難しくなったとする同社の現状をまずは正確に把握したい」(岡山県)としている。国にも協議会の仕組みや想定される支援策を聞く。

 JR西は昨年11月、利用が低迷する線区のうち最低水準にある芸備線について23年度を待たずに存廃を含めた協議を進めたい考えを自治体側に打診したが受け入れを断られた。これを受け同社は、同線のうち特に厳しい備中神代―東城、東城―備後落合、備後落合―備後庄原の3区間の話し合いの場を設けるため、国に協力を要請している。

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