和歌山から鹿児島へ引っ越し 白浜のホッキョクグマ

鹿児島へ引っ越しするホッキョクグマの「ライト」(和歌山県白浜町で)=アドベンチャーワールド提供

 和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」で飼育されている雄のホッキョクグマ「ライト」(9歳)が3月8日、繁殖を目指して鹿児島市の平川動物公園へ引っ越しすることになった。

 アドベンチャーワールドによると、日本動物園水族館協会生物多様性委員会のホッキョクグマ管理計画に基づく移動。国内のホッキョクグマの飼育頭数は、高齢化が進んでいることもあり、減少傾向にあるという。種の保存と遺伝的多様性の維持を目的に将来の繁殖を目指す。

 平川動物公園は、ライオン、タイリクオオカミ、クロヒョウなど約140種約千匹の動物を飼育している。現在ホッキョクグマはおらず、ライトが来園すると2020年10月以来の飼育になる。雌のホッキョクグマも今後来園する予定だが、具体的には決まっていないという。

 ライトは、13年11月21日にアドベンチャーワールドで誕生。公開最終日となる3月6日には、感謝の気持ちを込めて氷などをプレゼントする予定。

 今回の引っ越しで、アドベンチャーワールドでのホッキョクグマの飼育、展示は休止になる。

 ホッキョクグマは、北極圏に生息する唯一の海洋性のクマ。体長は1.8~2.5メートル、体重は200~600キロ。他のクマに比べて体が細長く、泳ぐのに適した体形をしている。白い毛で覆われているが、地肌が黒いため、太陽光から熱を効率よく吸収し、体温維持に役立っているという。寿命は20~25年。 

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