選抜21世紀枠選出の石橋高とは 高校生クイズ日本一、卒業生に作家ら

石橋高

 第95回記念選抜高校野球大会の21世紀枠に選出された石橋高は、栃木県の県庁所在地・宇都宮市の南隣、下野(しもつけ)市石橋に位置する1924年創立の県立共学校。県内有数の進学校で、地元では「いしこう」の愛称で親しまれる。

 石橋高の名は1994年の「全国高校クイズ選手権」で初優勝し、全国に発信された。文化部では放送部や吹奏楽部、運動部では陸上部、ハンドボール部などが活躍している。

 野球部は県大会1~3回戦で敗退する時代が長かったが、2010年に久々の高校野球経験者で新任の琴寄元樹監督(当時)が就任して以降、徐々に力をつけた。

 16年には、県立進学校の真岡、宇都宮北を関東大会に導いたベテランの福田博之監督が就任した。その年の秋の県大会でエース竹内海斗を擁して準優勝。初の関東大会出場を果たし、センバツ21世紀枠の関東・東京地区候補校となったが、落選。20年秋の関東大会出場後も候補校に選ばれたが、再び涙をのんだ。

 今年のチームは藤巻翔汰、入江祥太の両投手を中心とした堅守が持ち味。2年ぶりに秋の県大会で4強入りし、3度目の21世紀枠関東・東京地区候補校に選ばれた。

 100メートル四方ほどの校庭をサッカー部、ハンドボール部、陸上部と共用。恵まれた練習環境とはいえない中、学業と部活動を両立させている。また、地元の学童野球チームを集めた野球教室も開催し、野球人口増加の取り組みも続けている。

 校訓はドイツの哲学者ニーチェのに由来する「爾(なんじ)の立つところを深く掘れ」。主な卒業生に作家でタレントの室井佑月さん、eモータースポーツ世界王者の山中智瑛さん。野球部OBには、元楽天コンディショニングコーチとして田中将大投手らを指導した小山隆司さん(現真岡高監督)がいる。

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