車中泊におすすめのポータブル電源ベスト3!北海道の真冬にも活躍中の商品を紹介

こんにちは、年間50日以上車中泊しているコスケです。私は北海道在住ですが、真冬も含め、年中車中泊楽しんでいます。ただ、北海道の冬は寒さが厳しいので、春〜秋とは少し違った装備が必要です。冬の装備の中でも、とても重要なのがポータブル電源。北海道以外の車中泊でも重宝するポータブル電源ですが、容量や使い勝手などさまざまな製品があって、どれを購入すべきか迷ってしまう人も多いでしょう。そこで今回は、私が車中泊でポータブル電源を使った経験をもとに、車中泊におすすめのポータブル電源を厳選して紹介します。

車中泊で使いやすいポータブル電源の選び方!サイズ・容量・出力に注目しよう

ポータブル電源は製品ごとにスペックや機能が大きく異なりますが、すべての製品が車中泊に向いているわけではありません。

車中泊で使いやすいポータブル電源のポイントとして、サイズ・容量・出力の3つがあげられます。まずは、3つのポイントについて、詳しく解説していきます。

サイズ:重さは20kgまで・大きさは最大辺50cm以下

筆者撮影 ポータブル電源を持ち上げる

車中泊の場合、家庭内で使う防災目的のポータブル電源とは違い、使わないときは家の中に入れ、使うときは車に持っていく必要があります。そのため、あまりに大きいサイズでは持ち運びや積載、収納などが大変になってしまいます。

車中泊では重さは20kgまで、サイズは最大辺が50cm以下のサイズ感のものが使いやすいです。

20kgがひとつの目安ではあるものの、家の中から車に積み込む際に階段の上り下りがある場合には、より軽量なサイズを選ぶといいでしょう。

軽さを求める場合、男性なら10kg程度、女性なら7kg程度までだと、使いたいときにサッと持ち運べるかと思います。

大きさは収納や車内に無理なく入るサイズであればOKですが、当然、小さければ小さいほど、収納や車内といった限られた空間を有効に使えます。

一番長い部分が50cmを超えるようなものは、車中泊では使いにくさを感じてしまいやすいので、最大辺が50cm以下のものを選ぶのがおすすめです。

容量:サイズとのバランスも考慮して500Wh〜2,000Wh

ポータブル電源の容量は、小さいものでは300Wh、大きいものだと3,000Whくらいまであります。車中泊で使いやすいポータブル電源の容量は、500Wh~2,000Wh程度です。

Whとは、一時間あたりに使える電力の量を示す数値で、300Whであれば、消費電力300Wの電化製品を1時間程度使えることになります。(実際は電力のロスがあるので、ぴったり1時間は使えません)

容量が大きければ大きいほど、たくさんの電気を使えるので、車中泊が楽になります。

しかし、基本的に容量と重量は比例するため、大容量なポータブル電源だと、サイズが大きく、重たいものになってしまいがち。目安として、1,000Whのポータブル電源で10〜13kg程度の重さのものが多いです。

一方で、300Wh程度のものだと軽くて扱いやすいですが、車中泊で使うには少し物足りなさを感じてしまいます。

容量と重さのバランスを考え、500~2,000Wを目安に選ぶのが大切です。私も、500~2,000Wh程度の容量のものをよく使っています。

出力:理想はAC出力1,500W以上、最低でも500W

筆者撮影 電子レンジをポータブル電源で動かす

ポータブル電源を選ぶ際にもう一つ気にしたいのが、出力です。出力が大きいものほど、消費電力の大きな電化製品を使うことができます。

目安として、最低でも500Wの出力ができるものが必要で、1,500Wの出力が可能なポータブル電源であれば、かなり快適に車中泊ができるでしょう。

私が車中泊でよく使っている電化製品の消費電力は以下のとおりです。

  • 扇風機 :10W〜50W
  • 電気毛布:50W〜75W
  • ポータブルIH:300W~1,000W
  • 電気ケトル:900W~1,400W
  • ドライヤー:1,200W
  • 電子レンジ:1,000W~1,200W

消費電力は製品によって異なるので上記はあくまでも目安ですが、1,200W程度の出力があれば、多くの電化製品を使えます。

家のコンセントの出力は1,500Wなので、1,500Wの出力があるポータブル電源であれば、ほぼすべての電化製品を使えるようになります。そのため、1,500W以上出力できるポータブル電源だと理想的です。

ただ、電気毛布や扇風機、ポータブルIHなど消費電力の少ない電化製品しか使わないのであれば、500Wまでしか出力できないポータブル電源でも、車中泊で十分活躍してくれると思います。

私も数年前までは、500Wのポータブル電源しか持っていませんでしたが、十分快適に車中泊楽しめました。

高出力なポータブル電源は高価格になる傾向があるので、使いたい電化製品や予算を考えて出力をチェックしましょう。

真冬の北海道でも大活躍!車中泊におすすめポータブル電源ベスト3

それでは、私が普段から愛用している、車中泊におすすめのポータブル電源をベスト3紹介していきます。

どれも前述の「車中泊で使いやすいポータブル電源の選び方」で紹介したポイントを押さえている商品ですので、ぜひ参考にしてください。

【1】EcoFlow『DELTA 2(デルタ 2)』

筆者撮影 DELTA2と専用エクストラバッテリー
  • AC出力 :1,500W(X-Boostモード時1,900W)
  • 容量:1,024Wh(2,048Wh、3,040Whに拡張可能)
  • 重量:12kg
  • サイズ:400×211×281mm
  • 充電時間:0→100%で80分(1,200W入力)
  • 寿命:3,000サイクル後に初期容量の80%以上を維持
  • USB-C:2(100W)
  • USB-A:4
  • 使用可能温度:-10度〜45度

車中泊に一番おすすめなポータブル電源が、EcoFlowの『DELTA 2(デルタ 2)』です。

2022年に発売されたばかりの新製品で、長寿命で発火しにくいのが特徴の「リン酸鉄リチウムイオン電池」がバッテリーに採用されています。

1,500Wの高出力で、家庭で使う家電製品はほぼすべて使えます。

また、電圧を下げて1,900Wまで使えるようにする「X-Boost機能」も付いているのが特徴。消費電力が1,500Wを超える電化製品はかなり少ないですが、複数の家電製品を使う場合には役立つ機能かもしれません。(電圧が下がるので動かなくなる家電製品がある点には注意)

サイズも、取っ手が飛び出している部分で40cmなので、本体はかなりコンパクトで使いやすいです。

さらに、容量は1,000Wh以上。別売りの専用拡張バッテリーをコードで繋げることで、最大3,040Whまで容量を拡張できます。

パワーも容量も十分でありながら、重量は12kgとそこまで重くないので、扱いやすく万能なポータブル電源です。

大きな出力で使う場合や充電時はややファンの音が気になりますが、小さな出力で使う場合はさほど気にならず、電気毛布や扇風機くらいならほぼ無音に近い状態で使えます。

USBが多い点やアプリにも対応している点など、細かな部分も高性能・高機能で、どんな人でも使いやすいでしょう。私もかなりお気に入りのポータブル電源です。

【2】OUKITEL『P2001』

筆者撮影 OUKITEL P2001
  • AC出力 :2,000W(2分間のみ3,000W出力可能)
  • 容量:2,000Wh
  • 重量:22kg
  • サイズ:393×279×330mm
  • 充電時間:0→100%で120分(1,100W入力)
  • 寿命:2,000サイクル後に初期容量の80%以上を維持
  • USB-C:2(100W)
  • USB-A:4
  • 使用可能温度:-10度〜40度

OUKITELの『P2001』は、通常の出力は2,000Wまでですが、2分間限定で3,000Wまで出力可能なモンスターマシン。

大容量ということもあり、重さが22kgあります。しかし、安全性も高く寿命も長い「リン酸鉄リチウムイオン電池」が搭載されていることを考えたら、同スペックのポータブル電源の中では比較的軽い部類です。

また、サイズもコンパクトなほうなので、車中泊でも使いやすいですよ。私も電気を沢山使うときはこれも必ず持って行っています。

他のポータブル電源にはない、コードを入れるスペースがあるのも便利です。

筆者撮影 P2001のコード入れ

充電スピードも速く、高出力時でもファンの音が静かで、文句なしの性能です。USBも豊富で、コスパの高い、理想的な製品だと感じています。

ただ、アプリに対応していない点と、容量の割には軽いとはいえ、女性には持ち上げるのが難しい重さである点は気になるポイント。前に紹介したDELTA 2に比べると使う人を選ぶので、容量重視で選びたい人向けかと思います。

【3】EcoFlow『RIVER Pro(リバープロ)』

EcoFlow RIVERProと専用エクストラバッテリー
  • AC出力 :600W(X-Boostモード時は一部電化製品のみ1,200Wまで可)
  • 容量:720Wh(1,440Whまで拡張可能)
  • 重量:7.2kg
  • サイズ:289×185×235mm
  • 充電時間:0→100%で96分(660W入力)
  • 寿命:800サイクル後に初期容量の80%以上を維持
  • USB-C:1(100W)
  • USB-A:3
  • 使用可能温度:-20度〜60度

EcoFlow『RIVER Pro』は容量が720Whと、これまで紹介したDELTA 2やP2001に比べると容量が小さめ。その分、サイズもコンパクトで、重さが7.2kgと、女性でも片手で持ち運べる手軽さが魅力です。

通常の出力は600Wですが、X-Boost機能により、一部の電化製品であれば最大1,200Wまでのものを使えます。

私が手持ちの家電製品を試した限りだと、電子レンジは使えませんでしたが、1,200Wのドライヤーや1,000Wの電気ストーブ、900Wの電気ケトルなどは問題なく動作しました。

拡張バッテリーを繋げることで、容量を1,440Whまで拡張できるので、たくさん電気を使いたい時にも便利です。満充電まで2時間かからず、USBも豊富で使いやすさはバッチリ。

また、DELTA 2やP2001は放電可能温度が最低-10度でしたが、RIVER Proは最低-20度と寒さに強く、北海道の真冬でも十分使える性能です。

ファンの音も、電気毛布や扇風機くらいなら気になりません。

ただし、「三元系リチウムイオン電池」が使われているので、「リン酸鉄リチウムイオン電池」に比べると寿命が短く、安全性もやや落ちるのが弱点です。サイズや価格の安さを重視して選びたい人に向いています。

選ぶ際にはなるべく避けよう!車中泊では使いづらいポータブル電源の特徴

ここまでに紹介したポータブル電源以外にも、さまざまなポータブル電源があるため、自分に合ったものを選ぶのが大切です。

しかし、中には車中泊には向かないポータブル電源もあります。そこでここでは、防災目的やアウトドア用としては使いやすくても、車内で使うのには不便なポータブル電源の特徴を紹介します。

重すぎたり大きすぎたりする

筆者撮影 重たく大きなポータブル電源

前でも触れている通り、車中泊用のポータブル電源は、できるだけコンパクトかつ軽量なものがおすすめです。

家の中に設置して防災目的で使う場合は、重さより容量を重視することもあるでしょう。しかし、車中泊で使う場合、重いポータブル電源は使いづらいです。

また、軽くてもサイズが大きなポータブル電源は、狭い車内で使用するのに向いていません。大きな車だったとしても、電源が場所を占領してしまうと狭く感じてしまいます。

車中泊で使う場合は、重すぎたり大きすぎたりするポータブル電源は避けるようにしましょう。

音が大きい

ファンの音が大きなポータブル電源も車中泊には向いていません。

家やアウトドアで使う場合と違い、車中泊ではポータブル電源との距離も近くなりやすいです。特に寝るときには音が気になりやすいので、できるだけ作動音や冷却ファンの音が静かなものを選びましょう。

私も、ポータブル電源を選ぶときは音の大きさをかなり重視しています。

車中泊でポータブル電源があると車が部屋になる!電気があるとできること

ポータブル電源があると車中泊がとても快適になります。冬はもちろん、他の季節もポータブル電源があるだけで車中泊の快適度がグッとアップするほか、安全性の面でも役に立ちます。

具体的に、車中泊でポータブル電源が便利なポイントを紹介します。

車内で安全に調理することができる

車中泊の醍醐味の一つが食事ですよね。食事を作ったり温めたりする際に、ポータブル電源があると安全に調理が可能です。

狭い車内でカセットコンロを使用すると引火の可能性があり、一酸化炭素中毒のリスクも高くなるので危険。しかし、ポータブル電源があれば、ポータブルIHを使って安全に調理ができます。

私の場合、その土地の名物などを買って食べるため、調理前の食材ではなく、できあがってるお惣菜を買うことが多いです。ただ、冷えている食品を温めてほかほかの食事を楽しんだり、少し手を加えてより美味しく食べたりするときにポータブル電源とポータブルIHを活用しています。

筆者撮影 車中泊でやきとりを温める

また、ホットサンドなどの簡単な調理もしますが、この際にもポータブル電源を活用し、ポータブルIHとIH対応のホットサンドメーカーで調理をしています。

筆者撮影 車中泊で作ったホットサンド

他にも、ノンフライヤーやトースターなどさまざまな家電製品を使えるので、安全性を保ちつつ、車内での調理の幅を広げることができますよ。

手軽にコーヒーが淹れられる

私はコーヒーが大好きなのですが、ポータブル電源があると車中泊でコーヒーを淹れるのがとても楽になります。

ポータブルIH+シェラカップでお湯を沸かしてもいいですし、電気ケトルでお湯を沸かすこともできます。

筆者撮影 車中泊で電気ケトルを使ってコーヒー

カセットコンロを使ってお湯を沸かす場合、火災の危険性があるほか、夏だと熱で暑かったり目を離せなかったりと不便さを感じやすいです。

一方で、ポータブルIHや電気ケトルの場合は、水を入れてスイッチオンするだけでOK。準備をしている間にお湯を沸かすことができ、ゆっくりコーヒーを楽しめます。

コーヒー以外にも、カップラーメンやレトルト食品を簡単かつ安全に作れるので、車中泊の際の手間を減らしたい人にとって、ポータブル電源は必需品とも言えるアイテムです。

寒い冬や暑い夏も過ごしやすくなる

ポータブル電源は、寒いときや暑いときに特に活躍してくれます。車中泊では基本アイドリングができないため、真冬や真夏に車内で快適に過ごすためには工夫が必要です。

私の場合、ポータブル電源を活用し、冬は電気毛布、夏は扇風機を使っています。

北海道だと冬は-10℃以下の環境での車中泊になることも多いですが、電気毛布は消費電力が少ないうえにしっかり暖かいので便利です。

布団+敷き電気毛布+掛け電気毛布の装備で寝れば、外気温が-30℃でも寒さを感じません。短時間であれば、電気ストーブを使うこともできます。

筆者撮影 ポータブル電源を使って車中泊で電気ストーブを使う

また、北海道では夏場も夜間は扇風機だけで寝られることが多いので、ポータブル電源と扇風機がとても役立っています。

もちろん、ポータブルエアコンがあれば、ポータブル電源でエアコンを動かすことも可能です。

車中泊でエンジンのかけっぱなしが危険な理由 夏や冬を快適に過ごすためのコツも解説 - ハピキャン|キャンプ・アウトドア情報メディア

自分の使い方次第でベストな車中泊用ポータブル電源は違う

今回は、私が実際に車中泊で使っているおすすめポータブル電源を3つ紹介しました。それぞれの特徴をまとめると、以下の通りです。

  • EcoFlow『DELTA 2』
    誰にでも扱えるポータブル電源で、いろんな場面で万能に使いたい人におすすめ
    重量は10kgクラスと比較的持ち運びやすい。大きさや出力、容量のバランスが良いうえに拡張性もあるなど高性能
  • OUKITEL『P2001』
    容量を重視しており、中でもコスパのいい電源が欲しい人におすすめ
    重量は20kgクラスと少し重たいが、充電スピードやファンの音など細かい部分も高性能なコスパ抜群のポータブル電源
  • EcoFlow『RIVER Pro』
    そんなに使わないので、予算やサイズなどが手軽なものがいいという人におすすめ
    重量は7kg台で、ちょっと使いに対応できる手軽なポータブル電源。車中泊やアウトドアには十分な出力があり、拡張すれば本格的に使える点も魅力

いずれも私が気に入って使っている主力ポータブル電源ですが、異なるメリット・デメリットがあるので自分の用途や好み、予算などに合ったものを選びましょう。

一番容量が小さいのはRIVER Proですが、キャンプや車中泊、アウトドアで少し使うには十分な性能です。

筆者撮影 ポータブル電源を使って屋外調理

もし、同時に複数の電化製品を使ったり、電子レンジなどの消費電力が大きい電化製品を使ったりしたい場合は、より容量が大きなDELTA 2やP2001がいいでしょう。ほとんどの電化製品が使えるようになる容量や出力なので、防災目的も兼ねてポータブル電源を備えたい場合にもおすすめです。

今回紹介した3つのポータブル電源以外にもさまざまなポータブル電源がありますが、もし車中泊向けに購入を検討しているのなら、ぜひ今回紹介した3つを候補にしてみてくださいね。

© ハピキャン