前方確認の習慣 海転落の男性救う 玉野海保、村上さんに感謝状

長澤部長から感謝状を受け取る村上さん(右)

 フェリーから海に転落した男性を救助したとして、玉野海上保安部は26日、会社役員の村上昇さん(64)=岡山市北区=に感謝状を贈った。JRの運転士だった村上さんは「前方をよく確認する当時の習慣が役に立った」と話している。

 玉野海保などによると、15日午後5時ごろ、村上さんが香川県小豆島沖の葛島付近での釣りを終えて帰港中、岡山市東区犬島の南沖約1.7キロ付近で顔を出して浮いている男性(62)=同市北区=を発見。はしごを使い、プレジャーボートへ引き上げ、118番通報。同市の船だまりまで運んだ。

 男性は、新岡山港発、香川県・小豆島土庄港行きのフェリーから誤って転落。40分ほど漂流していたところを救助され、低体温症だったものの、命に別条はなかった。

 村上さんは約30年前にJR津山線などの運転士だった経験がある。「何か異常がないか前方をきっちり注意しながら運転する習慣が身についた」ことが救助につながったといい、「男性が無事で良かった。今後も海上、陸上を問わず、『前方確認』を心がけたい」と語った。

 感謝状を手渡した同海保の長澤宏樹部長は「少しでも救助が遅れていれば、最悪の事態もあり得た。献身的な行動に感謝したい」と話した。

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