新潟県燕市のふるさと納税寄付額が過去最高に、50億円超え県内1位に返り咲けるか

燕市ほふるさと納税返礼品、金属加工品のほかにヤクルトスワローズに関連するグッズも

新潟県燕市のふるさと納税の2022年度寄付額が、過去最高となる見込みであることが27日に分かった。同市のこれまでの最高額は、2020年度の約49億円で当時県内1位だった。

27日の定例記者会見で、燕市の鈴木力市長が言及した。詳細な金額については、30日の臨時会で公表するというが、50億円は超えると予想される。

燕市は地場産業の特徴を色濃く反映した返礼品で人気を集め、2020年度まで県内1位の寄付額を誇っていたが、2021年度は、いわゆる「巣篭もり需要」の反動減などの影響から寄付額は減少に転じ、県内2位に陥落していた(2021年度の1位は南魚沼市)。

2022年度は、4月から12月の時点で過去最高額を超えており、また寄付件数でも最多となっているという。

新潟県燕市の鈴木力市長

一方で、2022年8月に開設した市直営サイト「つばふる」の利用は、寄付額で約600万円、利用件数で200件ほどにとどまった。直営サイトは、市にとって掲載手数料や掲載の自由度の面でメリットがあるが、利用者側からは利便性や認知度で課題がある。鈴木市長は「つばふるから入っても、買う際にはポイントが貯まるポータルサイトに流れることが多く、寄付金額で占める割合は微々たるもの。しかし、今回過去最高となった理由の一つとして、情報発信を強化したことがある」と話す。

市では昨年、広告やSNS戦略を強化し、市の返礼品に特化した情報を掲示できるつばふるへ誘導してきた。最終的にはポータルサイトへ流れても、市独自の豊富な返礼品情報に接触させやすいため、以前よりも寄付に繋がりやすい。「誘導は、集まった金額以上に効果が出ていると思う」(鈴木市長)。

また、となりの三条市でもふるさと納税を強化していることについては「隣がやれば、我々の刺激にもなる。切磋琢磨すればいい」と語った。

【関連リンク】
燕市 ふるさと納税の直営サイト「つばふる」

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