<レスリング>IOCがロシアの復帰へ柔軟姿勢、OCAはアジア大会にロシアとベラルーシ参加の可能性を示唆

▲2024年パリ・オリンピックで、ロシア選手の勇姿が躍動するか

 

 国際オリンピック委員会(IOC)は1月25日、公式ホームページで、ロシアのウクライナ侵攻に対する制裁で国際スポーツ大会から除外しているロシアとベラルーシの選手に対し、中立の立場などの条件付きで復帰を検討していくことを発表した。今月中旬に行ったIOC委員と国際競技連盟(IF)との会議で、出席した大多数が両国の復帰検討を支持している、としている。

 現段階では、「ロシア、ベラルーシの両国で国際大会は開催しない。国旗と国歌の使用を禁止する制裁は継続」とし、自国を代表しない「中立」の選手として、戦争を積極的に支持しないなど厳しい条件の下で、両国勢が競技に参加するための道筋をさらに検討していくとしている。

 アジア・オリンピック評議会(OCA)はこの方針に呼応し、公式ホームページで、「アジア大会(中国・杭州)を含むアジアでの競技会に、ロシアとベラルーシの選手が参加する機会を提供することを申し出た」と発表した。

 OCAは「スポーツの団結力を信じ、すべてのアスリートは、国籍や所持するパスポートに関係なく、スポーツ大会に出場できるべきだと考えている」と主張。国際大会復帰が厳しい状況に置かれている両国の選手に、「復帰の道筋をつけるため」としている。

 この発表に対し、IOCは「両国勢にアジアの大会への参加機会を与えるというOCAの申し出を、高く評価する」と歓迎の姿勢を示した。

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