第1回宮日SDGs賞 旭建設(日向市)に表彰状

第1回宮日SDGs賞を受賞した旭建設の黒木繁人社長(手前左)=27日午前、宮日会館

 県内で模範となるSDGs(持続可能な開発目標)活動に取り組む個人・団体を表彰する「第1回宮崎日日新聞SDGs賞」(宮崎日日新聞社主催)の授賞式は27日、宮崎市の宮日会館であった。受賞した日向市の旭建設(黒木繁人社長)に、宮崎日日新聞社の河野誠司社長から表彰状が贈られた。
 旭建設はICT(情報通信技術)を活用し、離れた場所から工事現場をコントロールする遠隔臨場や無人化施工を推進。働き方改革を進め、人口減少社会において持続可能な地域経済の維持・発展に貢献している。
 また、女性が働きやすい環境づくりにも力を入れ、男女ともに優秀な人材が活躍できるように努めていることなども評価された。
 式では、河野社長が「賞をきっかけに土木業界への関心が高まり、発展の一助になれば」とあいさつ。黒木社長は「身に余る表彰で社員一同喜んでいる。これからも模範的な行動を続けていきたい」と話した。
ICTで働き方多様に/遠隔操作、女性も活躍
 県内で模範となるSDGs(持続可能な開発目標)活動に取り組む個人・団体を表彰する第1回宮崎日日新聞SDGs賞(宮崎日日新聞社主催)の授賞式が27日、宮崎市の宮日会館であり、日向市の旭建設(黒木繁人社長)に賞が贈られた。さまざまなSDGsに関わる同社の取り組みを紹介する。
 近年、激しさを増す自然災害。昨年の台風14号も県内各地に深刻な打撃を与えた。復旧現場では土木・建設業者の懸命な作業が続けられているが、危険は常につきまとう。
 旭建設が積極的に取り入れる技術は、そんな現場に革命をもたらす。ラジコンで重機を操作する「無人化施工」もその一つ。ICT(情報通信技術)を使い、現場で操縦者が重機に乗らなくても遠隔地から操作を可能とする技術だ。同社は完全無人化に向けて独自技術を開発しながら、安全優先の現場づくりを進める。
 遠隔操作の利点は安全面だけでなく、操縦者を選ばないところにも。女性や車いす利用者など、現場に出るハードルが高い人でも作業が可能となることから、働き方の多様性を生み出すことが期待される。
 このほか、ドローンを使った現場測量、遠隔地から現場をコントロールする遠隔臨場も推進。これらの技術を共有しようと、同業者で組織する県建設業ICT推進コンソーシアム(共同事業体)で勉強会を開くなどして活動をリードする。
 技術者希望の女性も積極的に採用。建設や土木の現場の事務所に女性専用の更衣室や休憩室を設けるなど、業務以外でも女性がストレスを感じない環境づくりに力を入れる。「ジェンダー平等を実現しよう」というSDGsに合致しており、シニアや海外の学生の登用と合わせ、多様性を生かした社会づくりにも貢献している。
 3K(きつい、危険、汚い)のイメージが強かった土木・建設業だが、同社の黒木社長は「SDGsに関わる取り組みを通して、かっこいい、感動する、稼げる、それに元気を加えて『3K+G』のイメージに変えたい。きっと持続可能な社会の実現に結び付く」と先を見据えている。

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