安保3文書「地元に説明を」 沖縄県と基地所在市町村でつくる「軍転協」が日米政府に要請

 【東京】沖縄県と基地所在市町村でつくる県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)の会長を務める玉城デニー知事らは27日、都内で日米の関係機関を回り、基地負担軽減を求める要請書を提出した。昨年末に改定された安全保障関連3文書について玉城知事は「沖縄に関わる事項も多く記述されている」と指摘し、政府の計画を地元に詳しく説明するよう求めた。

 玉城知事と金武町の金城司副町長は6日の軍転協総会でまとめた要請書を携え、普天間飛行場の県外・国外移設や基地に関する環境汚染への対応も求めた。

 玉城知事によると、防衛省で対応した木村次郎防衛政務官は「力による現状変更を許さず抑止力を高め、平和な暮らしを守る考え方を地元の自治体にも丁寧に説明したい」と答えた。外務省で要請を受けた山田賢司外務副大臣は、普天間飛行場の固定化を避けるため「辺野古移設が唯一の解決策」と述べたという。

 嘉手納基地内での防錆(ぼうせい)整備格納庫移設計画について、軍転協として「周辺住民の基地負担増大につながる」と撤回を要請した。これに対し防衛省と外務省は、日米防衛相会談と日米外相会談で、地元の不安と計画撤回を求める声があることを日本側から伝えたと回答したという。

 一方、在日米大使館のジョン・ナイリン公使参事官は「既存施設が老朽化し、大きな航空機に対応できない。現行計画の位置が幅の広い施設を造れる唯一の場所だ」と計画撤回を否定した。

 玉城知事らは栗生俊一内閣官房副長官や岡田直樹沖縄担当相、自民党の梶山弘志幹事長代行にも要請した。

 (明真南斗)

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