カネミ油症次世代調査 400人超が回答 研究班、被害者団体に進捗報告

 カネミ油症の全国油症治療研究班(事務局・九州大)は27日、認定患者の子や孫らを対象とする次世代調査の進捗(しんちょく)状況を被害者団体に報告した。自覚症状などを問うアンケートが400人以上集まったとして、油症検診で得た客観的なデータを基に引き続き分析を進める考えを示した。
 同研究班は、次世代に特化した健康影響調査を2021年度から実施。アンケートに加えて客観的データを取るため、同研究班が毎年実施している油症検診を受けるよう、子や孫に依頼している。
 福岡市内で開いた油症対策委員会(非公開)で報告。終了後、取材に応じた辻学班長によると、21、22年度で子や孫の計400人超からアンケートの回答を得た。辻班長は「(6月には)分析結果の報告をしたい」とした上で、「油症検診の受診者が増えると、データの信頼性が高まる」と説明。引き続き、同検診の受診への協力を求めながら、次世代特有の健康被害を証明していく考えを示した。

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