早くも2023年ベストショット? ラームのトリーパインズ平均スコアはウッズ超え

ジョン・ラームは勝てば世界ランキング1位復帰が決まる(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 3日目(27日)◇トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)◇7765yd(パー72)

気付けば2打差の2位。逆転優勝へ絶好の位置につけたジョン・ラーム(スペイン)だが、初日を終えた時点では116位だった。もっと言えば、今週31ホールを消化した時点では、まだ1オーバーと苦しんでいた。そこからトータル10アンダーまで伸ばしてきたのだから驚異的だ。

2017年大会でPGAツアー初優勝。21年には当地で行われた「全米オープン」でメジャー初優勝を遂げた。「明らかに自分の強みがコースにハマっている。応援してくれる人もたくさんいて、(海外にいながら)スペインにいるような気持ちになれる場所のひとつだよ」。ケリー夫人にプロポーズした場所も、コースがあるラ・ホヤだった。ゴルフもメンタルも、この場所に来ると充実ぶりが際立つ。

「ファーマーズインシュランスオープン」に限っても、過去6度の出場で5度のトップ10入り。通算27ラウンドの平均ストロークは「69.22」となり、ついにこの地で7勝を挙げたタイガー・ウッズの「69.28」(68ラウンド)を上回った。これは、大会がトリーパインズGCに舞台を移した1968年以降でナンバーワンの数字でもある(通算10ラウンド以上の選手)。

3連続バーディを奪って迎えた前半9番(パー5)では、早くも「今年のベストショット候補だね」と自画自賛する一打が出た。残り285ydから5Wの鮮やかなドローボールで2オンに成功。3.5mをねじ込むイーグルにつなげた。

前週「ザ・アメリカンエキスプレス」を含め、今年に入って出場試合2連勝中。今週も勝てば、文句なしで世界ランキング1位への復帰が決まる。欧州ツアーに参戦しているロリー・マキロイ(北アイルランド)の結果次第では2位か単独3位でも返り咲きの可能性もあるが、「今週はずっと素晴らしいスイングをしていて、どんどん良くなっている。明日もやるべきことをやれるといい」。泰然自若の風格を漂わせた。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/亀山泰宏)

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