室伏スポーツ庁長官が論文発表 自らの名を冠した動作の自己評価ツール確立

論文より

 室伏広治スポーツ庁長官が、研究者として、体の動作について自己評価できるテストを開発し論文として発表した。普及している既存の評価テストと相関性があることを実験で証明しており、より気軽に使えるツールとして信頼できるとしている。

その名は「KOJI AWARENESS™️」

 室伏長官は、現役時代はハンマー投げのトップアスリートとして知られ、アジア選手として初めてアテネオリンピックの金メダリストに輝き、現在も日本記録を保持するレジェンドだ。現在は長官としてだけでなく、東京医科歯科大学スポーツサイエンス機構特命教授として、現役時代に探求したコンディショニングの知見を生かしながら研究活動を行なっている。

 今回発表した論文は、その自らの経験も生かした、器具を使わず簡単に体の動作について自己評価できるテスト「KOJI AWARENESS™️」の開発と信頼性を検証した実験についてのもの。同テストはひとりでできる11の動作と、それぞれの達成度を評価する指標で構成されており、50点満点で点数化する。

 それぞれの部位の可動性についての評価を行う既存のテストや指標はすでに数多く存在しているが、ひとりではできなかったり、評価するのに認定された資格が必要、あるいはテスト自体が器具を必要とするなど、必ずしも誰もが使えるようなものではなかったという。

 室伏長官ら研究チームは、いまもっともその目的で活用されている「FMS」と「KOJI AWARENESS™️」を57人被験者に実施してもらい、安全性の確認や、それぞれの結果の比較を行って相関性を検証した。

論文より

 それぞれのテスト結果を比較した結果、グラフのように強い「正の相関性」が認められ、「KOJI AWARENESS™️」が「FMS」の代替ツールとして、自己評価に使えると結論づけた。ただし「FMS」はそのスコアが低い人については、ケガのリスクが通常より高いと評価できる論文が出ているが、今回の検証はケガのリスクについては検証しておらず分からないとしている。今後研究チームは、より多くの参加者を集めその点についても研究したいという。

 「KOJI AWARENESS™️」の内容については、以下の論文で詳細が公表されている。

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