結成8年目以内の若手芸人が出場した「THE CONTEへの道」にて観客投票で1位となり、1月28日にゴールデンタイムで放送される「土曜プレミアム『THE CONTE』」出演の切符を手にした太田プロダクション所属のお笑いトリオ・青色1号。フジテレビのスタジオにて、MCの東京03や、かまいたちの前で自信のコントを披露します。
ロングインタビュー後編では、ともに切磋琢磨（せっさたくま）する太田プロ所属のコンビ・ストレッチーズ、さすらいラビーに対する思いや今後の目標について、上村典弘さん、榎本淳さん、仮屋想さんの3人にお話をお聞きしました。（前編はこちら：https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-2009067/）
ストレッチーズ、さすらいラビーと「3組みんなで結果を出そう」
――ともに「THE CONTEへの道」に出場していたさすらいラビーさんや、「ツギクル芸人グランプリ2022」で優勝したストレッチーズさんなど、同じ太田プロに所属する方々の躍進が続いています。彼らの活躍についてはどのように感じていますか？
上村 「僕は、コント師はコント師との勝負だと思っているので。ストレッチーズが漫才で優勝したのを見ても、全然悔しいとは思わないですね」
榎本 「僕もそうですね。ストレッチーズは漫才、僕たちはコント。やっていることも全然違うので、『ストレッチーズ、すごい！』って思っちゃいます。優勝した時も、『おめでとう！』みたいな。さすらいラビーは最近コントにも力を入れているので、少し『負けられないな』という気持ちもあります。でも基本的には、ストレッチーズとさすらいラビーの活躍には『おめでとう』という思いです」
仮屋 「みんなで頑張っていきたいなと。太田プロの若手の顔というか、この3組で盛り上げていきたいですね。『3組みんなで結果を出そう』という雰囲気だと思います」
上村 「3組とも仲もいいですし。ただ、ストレッチーズだけこの3組で圧倒的に人気があるんですよ。どうやって人気を獲得しているのか、秘訣（ひけつ）を教えてほしいです」
榎本 「『月笑（げつわら）』という太田プロの事務所ライブがあるんですけど、さすらいラビーは2022年の年間1位だったんです。2位が僕たちで、1位と2位の2組でツーマンライブを開催するんですけど、お客さんが入んなくて…」
上村 「入らないんですよね…」
仮屋 「さすらいラビーのせいなんじゃないかと思ってます」
榎本 「そんなことない。そんなことないよ」
仮屋 「中田（和伸）がキモすぎるのかなぁ…」
榎本 「言うな！」
上村 「こういうこと言うと本当に怒るからな、あいつ」
榎本 「本当に嫌な顔するから。やめてあげて！」
上村 「ストレッチーズのああいうところは見習いたいですね。人気がすごいので」
榎本 「『ツギクル芸人グランプリ』で優勝したというのもあるんですけど、一気に人気に火が付いて」
――昔から、一緒にライブに出演することも多いですよね。
仮屋 「でもストレッチーズが『ツギクル芸人グランプリ』で優勝してから、会う機会はちょっと減りました。全然会うんですけど、前に比べたらライブにストレッチーズがいないことが多いですね。休演だったり、遅れてきたりとか。忙しそうです」
目標は三者三様「演技」「有吉さんに認められたい」「ギャンブル」
――今後やってみたいお仕事や、出てみたい番組があれば教えてください。
榎本 「僕は映画、ドラマ、CM、全部出たいです！ 芸人さんが映画やドラマに出るというのが格好いいなと思って、憧れています。演技の仕事ができたらうれしいです。見た目がこういう地味な感じなので、学生役とか。あとはサラリーマンのコントが多いので、サラリーマン役とか。主人公の知り合いで、意外とキーパーソンになるような役をやりたいです」
仮屋 「エキストラ？」
榎本 「エキストラじゃねーよ！ シソンヌさんとか、空気階段さんとか、出てるじゃん！」
上村 「格好いい名脇役みたいな役で出たいんでしょ？」
榎本 「うん。目標としては、東京03の角田（晃広）さんとか、ネプチューンの原田（泰造）さんとか、ココリコの田中（直樹）さんとか。そういう位置までいけたら最高だなと思います」
上村 「僕は結構、何でもしたいんですけど、最近思うのは、有吉（弘行）さんに認められたいなって。『有吉ベース』（FOD）っていう番組があるんですけど、僕らみたいなテレビに出てない芸人も出演させてもらっていて、そこで有吉さんと絡めるんです。『有吉ベース』に出るたびに、『有吉さんと共演したい』って強く思います。あとは、所ジョージさんに『所さんの世田谷ベース』（BSフジ）に招待されたいです。僕、所さんみたいになりたくて。こういう話をすると『ネタ番組じゃないの？』とか言われるんですけど、ネタ番組はたまにでいいかなって（笑）。バラエティーにタレントとして出演しつつ、たまにネタ番組に出た時に面白いネタでバチッとキメたいです」
仮屋 「僕はギャンブルが好きなので、パチンコ番組に出られたらいいなって。空気階段の鈴木もぐらさんと岡野（陽一）さんがやっている『くずパチ』（YouTube）とか、ブラックマヨネーズの吉田（敬）さんがやっている『ガケっぱち!!』（YouTube）とか。グランジの大さんとボートレースができたらもう最高です」
上村 「本当に人のお金でギャンブルがしたいんだな（笑）」
――仮屋さん、結構榎本さんに借金があるとか…。
仮屋 「あれ？ でももう2023年ですよね。なんで、なくなってるはず…」
榎本 「なくなってねーよ！ 年が明けても繰り越されるから！」
仮屋 「でも、もう2、3万円でしょ？」
榎本 「ちげーよ。8万5000円だろ。ナメんなよ」
上村 「微妙な額だなぁ」
――お給料って、3等分ですか？
上村 「3等分です」
仮屋 「個人の仕事は個人でちゃんと分けてますけど、でもそんなに差はないですね」
上村 「榎本は元々貯金があるんですよ」
仮屋 「家も小金持ちなので」
榎本 「まぁまぁ、一応貸すのは大丈夫ですけど…。バイトもしてるんで。仮屋に貸すために1個バイト増やしたし！」
仮屋 「僕だけじゃなくて、いろんな芸人が榎本ファイナンスから借りてるんですよ。無利子なんで」
――ちなみに、どういうアルバイトをされているのですか？
榎本 「僕は、学童保育とクレープ屋で働いています。お笑い芸人のやまもとまさみさんが経営しているクレープ屋さんが地元にあって。でも最近はライブも多いので、あまりバイトには入れていないですね。学童保育も夕方からで、ちょうどライブの時間とかぶることが多いんです」
上村 「僕は居酒屋でバイトしてたんですけど、去年正式に辞めちゃって。お金がないのに辞めちゃったんで、今ヤバいです（笑）。居酒屋の夜勤をやってたんですけど、ライブが増えすぎて、夜勤後の疲れた顔でライブに出るのが嫌で、もう辞めちゃおうと。今はバイクでUber Eatsをたまにやってるくらいですね。去年は何度かライブで勝ってちょこちょこ賞金を稼げていたので、それで食いつないでました。今年は完全にバイトを辞めたいです」
仮屋 「僕は警備員のバイトと、ホストクラブのウエーターをやっています。皿洗いとか、ドリンクを持って行ったりとか、シャンパンを開けたりとか。そこは結構芸人が働いていて、スタンダップコーギーの（奥村）うどんさんとか、フランスピアノの（山本）陽平とか、パンプキンポテトフライの山名（大貴）さんなんかがいて。そこで必死に働いています。でもなんか、ホストクラブってすごい額のお金が渦巻いているので、そのおかげか、そこで働いている芸人にちょっとずつ成果が出るようになっていて。ちょっとしたパワースポット的な場所になってますね。フランスピアノは、去年は一緒に『キングオブコント』の準決勝いったり、『ABCお笑いグランプリ』でも決勝いきましたし。スタンダップコーギーも『ラヴィット！』（TBS系）とか出てたし。パンポテさんも勢いあるし。そのメンバーでトークライブやったりもしています」
青色1号のルールは「うそはつかないでね」
――「THE CONTE」への出演権も獲得し、2023年、幸先のよいスタートを切っている皆さん。今年はどういう1年にしたいですか？
榎本 「やっぱりいいスタートを切れたので、今年は全勝ち！ 出た賞レースやライブで全勝ちします。もちろん『キングオブコント』で決勝、そして優勝。『ABC』も優勝。去年より一つ上のステージに行けるようになりたいです」
仮屋 「『サガミハラエッジ（芸人バトル）』も？」
榎本 「いいよ、『サガミハラエッジ』は。もう優勝してるんだからさ。なんで2連覇狙うんだよ」
――「サガミハラエッジ」は優勝後も出場できるんですね。
榎本 「出られるんですよ。僕の地元でやっている大会なので優勝できたのはうれしかったですけど、それはいいんですよ。『サガミハラエッジ』はもういいよ」
仮屋 「何か別の『エッジ』があればなぁ」
榎本 「ないよ！ 別の『エッジ』は」
上村 「『足立エッジ』があればなぁ。僕は、やっぱり去年以上の成績を残すというのと、バイトを完全に辞めて、猫を飼いたいですね。猫好きなんです。今年の目標は“猫を飼う”！」
――上村さんはTwitterやInstagramなど、SNSを何もやっていないそうですが、猫を飼い始めたらSNSを開設するのですか？
上村 「した方がいいですかね？ どう思います？」
――私は結構猫のアカウントを見ていて、Instagramのおすすめが猫の動画と写真ばかりになっているので、上村さんが始めたら拝見したいです。
上村 「出てきますよね。僕もおすすめが猫と格闘家とグラビアアイドルばかりになりそうです」
仮屋 「僕は、榎本からの借金を完済します。8万5000円をなんとか…」
榎本 「『なんとか…』じゃねーよ。頑張れよ」
仮屋 「榎本だけじゃなくて、ほかからもちょこちょこ借りてるんですよ。榎本の優先順位をちょっとだけ上げます」
榎本 「絶対上げろよ。一番借りてんだから」
――昨年より、3人でお金を出し合って舞台衣装を買うための貯金を始めたとのことですが、進捗はいかがでしょうか？
榎本 「一応、もうお金は貯め切ったんです」
上村 「1人8万円を出し合って」
――8万円…？
仮屋 「これが難しいところですよね。舞台衣装を買うのが先か、僕が榎本に借金を返すのが先か」
榎本 「難しくねーよ！ まず衣装だから！ 無事24万円貯まったので、事務所が宣材写真を撮り直す期間に合わせて、新調したいなと思ってます」
上村 「ただ、まだどういう衣装にするかは何も決まってないんですよ。どんなのがいいですかね？ トリオの宣材写真って、結構みんな私服なんですよ。ハナコさんとかも私服で。ビシッとスーツっていうよりは、ちょっとゆるめで考えてますね」
仮屋 「これ（取材時に着ていた、『THE CONTE』のロゴ入り番組Tシャツ）でもいいですけどね」
榎本 「恥ずいだろ！ これが宣材は！」
仮屋 「『THE CONTE』をずっと背負っていく」
――（笑）。最後に、3人の中で大事にしていることや、トリオ内でのルールがあれば教えてください。
上村 「真面目になっちゃいますけど、『うそつくな』とは言ってます。あんまりないですけど、榎本とか、たまに遅刻すると誤魔化すんで。その時はブチギレます」
榎本 「そうですね。それは結構言われました」
上村 「うそつくやつって、面白くないやつ多いんで。あと、やっぱりバレるんですよ。売れてる芸人さんって、そんなのすぐ見抜いちゃうじゃないですか。有吉さんとしゃべることもあるんですけど、そういうのは絶対に全部見抜かれるんで。大きなルールというのは特にないんですけど、口酸っぱく『うそはつかないでね』とは言ってます。2人がうそついてるのは見たことないです」
よしもと有楽町シアターにて行われた「THE CONTEへの道」で、この日一番の笑いの渦を巻き起こしていた青色1号の皆さん。見事優勝をつかみ、初めてテレビのゴールデンタイムでコントを披露します。ネタ作りを担当しているのは上村さん。上村さんが「榎本は何もしないし、仮屋はお酒ばっかり飲んでる」とこぼせば、即「やってるから！ 細かい連絡とかは全部やってるし、小道具も全部僕が持ってきてるから！」と反撃する榎本さんと、その隣で、納得した表情（？）で無言を貫く仮屋さん。
また、フジテレビの廊下に貼られているアニメ「ちいかわ」のポスターを見た上村さんが「これ、榎本が好きなキャラじゃん」と一言。移動中は、榎本さんが楽しそうにちいかわの話をしていました。どこまでも自然体な3人が、コントで輝く姿は必見です。
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【プロフィール】
青色1号（あおいろいちごう）
上村典弘（1990年6月7日生まれ、東京都足立区出身）、榎本淳（1992年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身）、仮屋想（1991年7月17日生まれ、福岡県出身）が、2014年、太田プロダクションの養成所「太田プロエンタテイメント学院」の6期生として共に入学。上村と榎本がコンビ「青色1号」として活動していた中、17年に仮屋が加わり、トリオ「青色1号」を結成。22年、「第43回ABCお笑いグランプリ」決勝進出、「キングオブコント2022」準決勝進出、「第7回サガミハラエッジ芸人バトル」優勝。YouTubeチャンネルにて、ネットラジオ「青色1号NEWごめんあそばせ」が更新中。
【番組情報】
「THE CONTEへの道」
フジテレビほか
1月28日 土曜 午後4：30～5：25
MC：あべこうじ、小室瑛莉子（フジテレビアナウンサー）
出場芸人（結成8年目以内）：青色1号、嬉しい朝、黄金の桜、cacao、金の国、さすらいラビー、11月のリサ、ジャックポット、Gパンパンダ、大自然、竹内ズ、たらちね、チェリー大作戦、TCクラクション、ドンデコルテ、ハイツ友の会、バッテリィズ、バローズ、プール、ママタルト
「土曜プレミアム『THE CONTE』」
フジテレビ系
1月28日 土曜 午後9：00～11：10
MC：東京03、かまいたち
出演者：青色1号、かもめんたる、空気階段、さらば青春の光、サンドウィッチマン、ザ・マミィ、ジャングルポケット、ゼンモンキー、チョコレートプラネット、天才ピアニスト、ニューヨーク、ハナコ、ビスケットブラザーズ、わらふぢなるお
ナレーション：満島ひかり
取材・文・撮影／宮下毬菜（フジテレビ担当）
