楯築遺跡 給水塔25年度以降撤去 倉敷市長 復元整備への議論で表明

楯築遺跡の給水塔撤去の計画などが示されたフォーラム

 弥生時代最大級の墳丘墓・楯築(たてつき)遺跡(倉敷市矢部、国史跡)の復元整備を目指す産学民組織「楯築ルネッサンス協議会」(代表・槇野博史岡山大学長)のフォーラムが28日、同大創立五十周年記念館(岡山市北区津島中)で開かれた。遺跡内に立つ、住宅団地の給水塔撤去について、伊東香織倉敷市長は2025年度以降に行う計画を示した。

 楯築遺跡の活用策などを巡る議論にゲスト参加した伊東市長は、遺跡の景観を取り戻すため、代替の給水施設を24年度末までに整備し、その後給水塔の撤去に取りかかると表明。「全国に楯築の価値を伝え、皆が夢を持てるようにしたい」と述べた。

 給水塔は遺跡周辺の団地開発に伴い1972年に建設され、現在は市が管理する。伊東市長は昨年6月に撤去方針を表明していた。

 基調講演では、松木武彦・国立歴史民俗博物館教授が「楯築遺跡は倭王の墓か?」と題し、遺跡の被葬者について考察。岡山大の清家章教授、松本直子教授らは、遺物の特殊器台などに見られる宗教性や美意識を紹介し、約240人が聞き入った。

 協議会は県内の歴史愛好家や岡山大、倉敷商工会議所などの関係者で昨年7月に発足した。

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