相次ぐ強盗事件、対策は? 防犯グッズ売り上げ12倍、警備サービスも相談急増

センサーライトなどが並ぶホームセンターのコーナー=28日午前、宇都宮市西川田本町2丁目

 各地で相次ぐ住宅を狙った広域強盗事件を受け、栃木県内では市民の住宅への防犯意識が高まりつつある。ホームセンターでは防犯フィルムなどの対策グッズの売り上げが急増。警備会社にも警備サービスの問い合わせが増えている。県警は防犯対策の徹底や周囲に異変があった際の速やかな通報を呼びかけている。

 足利市では10日、現金300万円などが奪われ、男性がけがをした強盗致傷事件が発生。各地の強盗事件では複数人が窓ガラスを割って押し入ったり、宅配業者を装ってドアを開けさせたりする手口が目立つ。

 続発する事件を受け、ホームセンターの「カンセキ」(宇都宮市)では、各店舗で防犯グッズの売り上げが急増している。窓ガラスを補強して割れにくくする防犯フィルムやサッシ内側に取り付ける補助錠、人の動きを感知するセンサーライトなどのニーズが高い。

 特に防犯フィルムは18日からの10日間で、昨年1月の12倍超の売れ行き。商品グループの担当者は「お客さまの防犯意識が高まっている」と感じている。

 北関東綜合警備保障(宇都宮市)には強盗事件の報道が増え始めてから、警備サービスについて「普段の3倍」(担当者)の問い合わせがある。持ち運び可能な機器で室内のどこからでも緊急通報できるサービスへの関心が高いという。

 担当者は「留守中に家を守る警備から、在宅中に身を守るサービスに関心が向いている」とみている。

 県警は被害防止のため、(1)日中でも家に鍵をかけ、来客があっても玄関ドアをすぐには開けない(2)他人に資産状況を教えない(3)緊急ブザーや防犯カメラを設置する-などを対策に挙げる。また宅配サービスでは送り主などをよく確認することを求めている。

 県警の担当者は「犯人は下見をしている可能性もある。近所で不審な人や車を見かけるなどの異変があったら、すぐ通報してほしい」と呼びかけている。

© 株式会社下野新聞社