門出を前に思い込め…和紙の町・小川の小6が和紙漉き 自作和紙でコサージュ作り、卒業式に親子で着用

卒業式で使うコサージュの和紙を漉く、みどりが丘小学校の6年生=埼玉県小川町小川の和紙体験学習センター

 卒業式を前に埼玉県小川町立小学校(みどりが丘、八和田、大河、竹沢、小川)の6年生計181人が、同町和紙体験学習センターで、卒業式で使うコサージュの和紙を自ら漉(す)いた。児童一人一人が手漉きした小川和紙(横36センチ、縦28センチ)はピンクの染料で染めたもので、もみ加工して各校に届けられ、親子で「和紙コサージュ」作りに取り組み、3月の卒業式には親子で自作のコサージュを胸に飾って臨む。

 同町の小学校の卒業式で手作りの「和紙コサージュ」が使われるようになったのは2017年の卒業式からで、大河小学校が最初だった。6年生が1学期から小川和紙について学習。2学期、その一環で、当時、同センターのスタッフだった中島知子さんが考案した和紙を活用したコサージュを作ることになった。

 10月中旬、ピンクの染料で染めた和紙を児童一人一人が漉き、もみ加工。3学期、中島さんらが指導し、親子でコサージュ作りに取り組んだ。1枚の和紙から二つのコサージュを完成させた。卒業式の「和紙コサージュ」は好評で、話題になった。その後、徐々に広がり、昨年度は全小学校で取り組んだ。

 この日、みどりが丘小学校(福田好伸校長)の6年生は、46人が交代で和紙を漉いた。児童たちは「4年生の時にも和紙について学んだ。和紙を漉いて、もうすぐ卒業なんだと思いました」「和紙の素晴らしをもっと広めたいと思いました」などと感想を述べた。同校では2月中旬、中島さんを講師に招いて「親子・和紙コサージュづくり」を予定している。

 中島さんは「“和紙愛”から考案したもので、全校に広がり、感慨深いです。大切な卒業式の思い出の一つになればうれしいです」と話していた。

和紙コサージュ。1枚の和紙から2つのコサージュが作れる

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