「医療費支給想定を」カネミ油症3者協議 次世代救済、国などへ要望

被害者団体(左側)、カネミ倉庫(右側)、国が出席した3者協議=福岡市、福岡第2合同庁舎

 カネミ油症の被害者団体と国、原因企業カネミ倉庫(北九州市)による3者協議(非公開)が28日、福岡市内であった。被害者団体は、健康被害の実態調査が進んでいる患者の子や孫ら次世代が救済対象と位置付けられた場合を見据えて医療費支給のシミュレーションを行うよう国などに求めた。
 現在、認定患者の医療費は国から政府米を預かるカネミ倉庫が、その保管料などを基に間接的に支給する仕組み。全国で計約千人の患者に対し、年間約1億円が支払われている。
 3者協議後、次世代が新たに救済対象となった場合の対応について農林水産省の担当者は「医療費の支給はカネミ倉庫の責務」とし、国は支援をしていく立場であることを強調した。
 カネミ倉庫の加藤大明社長は「(次世代が救済対象に)認められたら、それなりのことになるだろう」と述べ、自社が対応せざるを得ないとの考えを示した。
 一方、国によるとカネミ倉庫側は、関西の自社倉庫の一つを閉鎖すると協議で明かしたという。被害者団体は、医療費の支給に影響が出ないよう求めた。


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