旅客船に不審者 テロ対策訓練 玉野海保や県警 G7倉敷会合控え

ナイフを持った不審者を取り押さえる松山海保の特別警備隊員ら

 5月に広島市で先進7カ国首脳会議(G7サミット)、4月に倉敷市で労働雇用相会合が開かれるのを前に、玉野海上保安部や岡山県警などによるテロ対策訓練が29日、玉野市築港の宇野港で行われた。旅客船内で不審者を取り押さえる動きや乗客誘導といった対応を確認した。

 松山海上保安部(松山市)の職員、四国汽船(香川県直島町)社員ら約80人が参加。着岸した同社フェリーにナイフを持った男が現れた―との想定で実施した。

 ナイフを振り回す不審者には松山海保巡視船「いよ」の特別警備隊員が対応。盾を利用して不審者を転倒させ、ナイフを奪うなどして取り押さえた。爆発物が仕掛けられたことも判明。玉野署員が発見した爆発物を県警機動隊員が専用器具で慎重に処理した。

 四国汽船社員らは乗客を船外に誘導。玉野市消防本部の救急隊員が負傷者の治療に当たった。玉野海保の長澤宏樹部長は「全ての対応がしっかりとできた。各機関の連携を深めていきたい」と話した。

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