浦賀ドックで咸臨丸フェス 機関工場は今年で最後

 幕末に浦賀を出港し、日本の軍艦として初めて太平洋を横断した「咸臨丸」にちなんだ「第18回咸臨丸フェスティバル」が30日、横須賀市浦賀の住友重機械工業浦賀工場(通称浦賀ドック)などで開かれた。ステージ上でのパフォーマンスや模擬店などが人気を集め、家族連れら約3万2千人(主催者発表)でにぎわった。市や地元商店街などでつくる実行委員会の主催。

 同ドックは2003年に閉鎖。その一施設である機関工場は老朽化が進み危険なため、フェスティバルに使用できるのは今年が最後となった。市民団体によるパネル展示や地元中高生による「産業遺産でコンサート」と題した吹奏楽の演奏が“最後の舞台”を彩った。

 毎年、機関工場で展示を行ってきた歴史サークル「中島三郎助と遊ぶ会」の大内透会長(70)は「浦賀ドックは幕末の浦賀奉行所与力、中島三郎助と縁があるところ。ここを拠点にして、誇らしくやってきた。来年からできなくなるのは残念」と話していた。フェスは継続の予定だが、詳細は決まっていないという。

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