学ぶ「憲法×拳法」 川崎で日中けんぽうカフェ

 憲法記念日(5月3日)を前に二つの「けんぽう」を学ぶイベント「ダブルけんぽうカフェ 日本国憲法と中国拳法」が30日、川崎市多摩区の市立生田中学校特別創作活動センターで開かれた。約40人が参加し、日本と中国の「けんぽう」に理解を深めた。

 「明日の自由を守る若手弁護士の会」(あすわか)の武井由起子弁護士(48)が、憲法の成り立ちや自民党の憲法改正草案を解説した。商社勤務時代、北京に駐在した武井さんは「一党独裁体制の中国では国民の言論、表現の自由は必ずしも保障されない。基本的人権が尊重される日本に生まれてよかったと思った」と言及。

 一方で、安倍政権が強行採決で安全保障関連法を成立させたことを踏まえ、「最近の日本を見ると不安になる。かつての中国の姿が重なる」と懸念した。

 個人の尊重を保障した憲法13条の「個人」を「人」に置き換えた自民党の改憲草案に対しては、「権力から見れば個人が権利を主張することは面倒なこと。政府が国民を管理できる憲法に変えられてしまうかもしれない」と指摘した。

 武井さんの北京時代の友人で中国武術商品の輸入販売会社を経営する高木美恵子さん(49)は「中国の国民は権力に懐疑的でおかしいと思ったときには声を上げる。その姿勢を学びたい」と話した。イベントの後半は参加者全員で太極拳を楽しんだ。

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