「マスク着用ルール」見直し…政府が緩和を打ち出すも「マスク生活」は変わらない!?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。1月23日(月)放送の「GENERATION」のコーナーでは、政府が進める“マスク着用ルールの見直し”について、視聴者を交えて議論しました。

◆新型コロナが2類から5類へ、マスクも屋内外で原則不要に

Twitterの「スペース機能」を活用して幅広い世代の視聴者に参加してもらい、Z世代・XY世代のコメンテーターと議論する「GENERATION」。この日のテーマは"マスク着用ルールの見直し”です。

新型コロナ流行から3年、岸田首相は今春から新型コロナの感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げると表明。

それに伴い、政府は、屋内でのマスク着用についても発熱などの症状がある人や重症化リスクの高い人と接する場合を除き、原則不要とする方向で調整を進めています。

現状、政府が掲げているマスク着用ルールは昨年5月から適用されているもので、屋外では原則不要。屋内ではマスク着用を推奨としています。

これに対し、4月以降の新たなルールでは屋内外で原則不要。23日から始まった通常国会でも、岸田首相の施政方針演説から本会議で登壇者がマスクを外すことが認められました。さらに、岸田首相は感染者や濃厚接触者の外出自粛についても見直すとしています。

なお、韓国では1月30日から屋内でのマスク着用義務が解除に。屋外でのマスク着用義務に関しても昨年9月に撤廃していますが、依然としてマスクを着けている人が多いということです。

マスク着用緩和について街頭で話を聞いてみると「公共機関や電車などはやはりまだマスクは外せない」(70代 女性・歯科技工士)、「コロナが怖いと思う人は多いと思うので、着けている人は着けていると思う」(20代 男性・大学生)、「動く仕事をしていてマスクが息苦しかったりするので、緩和は嬉しい」(60代 女性)など賛否両論ありました。

また、番組のTwitterアカウントで「マスク着用ルールはどうするべきか」アンケートを実施したところ「現状維持」が47.9%で「緩和すべき」が33.7%。そして「強化すべき」が6.3%、「その他」が12.1%。ちなみに、昨年10月にも同じアンケートを取っており、そのときは「緩和すべき」が46%でした。

◆マスク着用義務、気になるのは子どもへの影響

当番組のTwitterスペースに参加していた視聴者からは「感染症法上の扱いを下げたところで新型コロナの毒性・感染力は変わらない。マスクルールも勝手に決めていいものではない。国会の議論が必要」という意見や、「今は日本全体がマスクをしていないと変な人という雰囲気だが、そろそろマスク着脱を自由にしていかないと日本人はマスクが欠かせない国になってしまう」と案じる声もありました。

株式会社ABABA代表の久保駿貴さんは、「ルールとあるが、そもそもルールではない」とし、今後については「日本の国民性を鑑みれば、今後もマスクを着けたままの人が残るのではないか」と推察。

マスクを外していない人がマイノリティ(少数者)になってしまうことで、マジョリティ(多数者)側から叩かれてしまうことを危惧。また、なかには皮膚の病気などの事情でマスクを着けられない人もいることに触れ、「(少数者が叩かれてしまうなどの風潮とならぬよう)そうしたことに対する政府からのメッセージは必要」と言い、「ただし、一気にやりすぎると中国のような状況になってしまうかもしれないので、そこは慎重にいく必要がある」とも。

1歳と4歳の子どもを持つフリーアナウンサーの豊崎由里絵さんは、マスク着用義務が子どもにどのような影響を及ぼすのか懸念し、ルールを緩和するにしても「外してもいいというメッセージをきちんと出してほしい」と望みます。

コロナ禍に生まれた豊崎さんの次男は、生まれた瞬間から目にする周囲の大人はマスクを着用していて、両親以外の大人の笑った顔をほとんど見たことがないと言い、それが将来どんな影響を及ぼすのかとても心配だと吐露。「経済的な影響や病院の状況などは専門家がしっかりと調べているが、マスク着用を義務付けることが子どもにどんな影響があるのかあまり議論されていない気がする」と嘆きます。

なお、キャスターの堀潤によると、最近は少しずつ子どもたちへの影響に関する調査結果などが公表され、そのなかにはマスクをしていると、その人が笑っているのか、怒っているのか、悲しんでいるのか、感情を認知しづらくなってきているという結果が出ているそうです。

◆個々人で判断力を磨き、政府がやるべきは個別対応

Fridays For Future Tokyoオーガナイザーの黒部睦さんは、自身が取り組んでいる領域である環境問題の観点から言及。気候変動などが進行すれば、今後、新型コロナ以外の感染症も流行する可能性があり、「その度にマスクルールなどを政府に委ねていたら追いつかない。ある程度は自分で判断する力をつけていくことが必要」と話します。

キャスターの田中陽南は「"ルール”という言い方がよくないのかも。ただ、基準は示してもらわないと、日本人はなかなかマスクを外せないと思う」と見解を示します。これに堀は「放送でも安易に"ルール”という言葉を使わないほうがいい」と頷く一方で「明確にルールを運用しているところもある。それは企業の現場」と指摘。

例えば、飲食店ではマスク着用を徹底しているなど、各社業務を鑑み社内ルールを定めているため、堀は「僕は岸田首相が呼びかける相手は、社会一般ではなく個別。組織ごとピンポイントに、この業界はこのルール、映画館はこう、一般企業はこう、保育園はこうといった具合に、個別に呼びかけてほしい。組織に対してのアナウンスがもっと必要」と訴えかけていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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