映画「秋津温泉」の資料ずらり 鏡野の奥津歴史資料館で企画展

映画「秋津温泉」のロケ風景の写真や複製台本が並ぶ企画展

 奥津歴史資料館(岡山県鏡野町奥津)は、地元奥津温泉街などを舞台に備前市ゆかりの小説家藤原審爾(1921~84年)の作品を映画化した「秋津温泉」(62年)の撮影風景の写真や複製台本などを集めた企画展を同館で開いている。

 主演の岡田茉莉子さん、長門裕之さんのポスターなど約65点を展示。宣伝用のチラシや台本の複製、秋津温泉の特集が載った当時の映画雑誌、ロケの様子を伝える新聞記事も並べている。

 温泉街や国名勝・奥津渓、津山市内の街道、JR津山駅などでのロケを収めた写真は俳優や昨年末亡くなった吉田喜重監督、エキストラとして出演した町民らが真剣な表情で撮影に臨む姿を活写している。カットされた幻のシーンや、現在は苫田ダムの水没地区となっている旧久田小の場面もある。

 企画展は映画公開から60周年を迎えたのを記念して開催。町教委生涯学習課は「名作映画の資料というだけでなく、往年の奥津や津山の街並みを記録した歴史資料としても楽しんでもらいたい」としている。

 3月30日まで。開館時間は午前9時~午後4時半。月曜、祝日の翌日休館。入館無料。問い合わせは同課(0868―54―7733)。

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