新型コロナ 長崎県内死者数が月別で最多に 1月累計147人、70代以上が96.6%

 新型コロナウイルスに感染して死亡した人が今月に入って増加傾向だ。29日までの累計は147人に上る。流行第7波のピークだった昨年8月の123人を上回り、月別で最多になった。年代別では70代以上が96.6%を占めており、感染症法上の位置付けが5類になった後もどうやって高齢者を感染から守るかが課題になる。
 県の発表データを長崎新聞社が集計した。死者数は月別で最多だが、感染者数は昨年8月の半数程度。このため感染者数に対する死者数の割合は1月(29日まで)は0.34%に達し、昨年8月(0.14%)の2.4倍となった。全国でも同様の傾向だ。
 県が実施しているウイルスのゲノム(全遺伝情報)解析によると、第7、8波とも主流はオミクロン株の「BA・5」で重症化率や致死率が高くなったとは考えにくい。県の担当者は、死者数が多く死者数の割合も高くなっていることについて「明確には分析はできていない」と話す。
 ただ、▽昨年9月に全数把握が簡略化されて以降、自主検査で陽性になっても届け出をしない人が見受けられるようになった▽医療機関や高齢者福祉施設でクラスター(感染者集団)が多く起こっている▽感染者全体に占める高齢者の割合が第7波に比べ、第8波の方が高くなっている-ことなどが要因になっている可能性はあるという。


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