東京都の新年度予算案、8兆円超で過去最大 “猶予ない”少子化対策に重点

東京都の2023年度予算案が発表され、8兆円を超えて過去最大となりました。東京都の小池知事は「一刻の猶予もない」と話し、予算案に少子化対策を大幅に盛り込みました。

小池知事が明らかにした東京都の新年度の一般会計の当初予算案は8兆410億円で、過去最大だった2022年度から2400億円増加しました。小池知事は「明るい未来の東京の実現に向け、将来にわたって成長と成熟が両立した光り輝く都市へと確実に進化し続ける予算と位置付けている」と説明しました。

中でも小池知事が「待ったなし」として最重要課題とする少子化や子育て対策にはおよそ1兆6500億円を充て、18歳までの月額5000円の現金給付や、私立中学校の授業料の一部助成などを盛り込んでいます。小池知事は「少子化対策は本来、国が戦略的に取り組むべき課題だが、もはや一刻の猶予もない。都として、国に先駆ける形で総合的な対策を講じる」と意気込みました。さらに、脱炭素化を進める予算として1822億円を計上し、全国初となる戸建て住宅への太陽光パネルの義務化に関する支援策に780億円を配分しました。

その一方で歳入は都税が過去最大の6兆2010億円で、企業収益が持ち直したことが影響したとしています。

新年度予算案は2月から開かれる都議会で審議される予定です。

<初の8兆円超 子ども支援に重点、英語教育や多摩・島しょ振興なども>

1月27日に発表された東京都の2023年度予算案の中身について見てみます。

予算案の一般会計歳出の総額は8兆410億円となりました。前年度と比べて2400億円増額し、初めて8兆円を突破する過去最大の規模となりました。また、この中には新型コロナウイルス対策の費用の大半が含まれておらず、2月上旬の補正予算で追加されることとなります。

どのような取り組みに予算をつけたのでしょうか。都が発表した8つの項目には「教育・就職・人材育成」や「脱炭素社会の実現」「デジタル化・都政改革」など多岐にわたります。中でも知事が"一刻の猶予もない”として重点を置くのが少子化対策など「子ども・子育て支援」です。

「子ども・子育て支援」の取り組みはどんな内容となるのか詳しく見てみると、まず「結婚・妊娠・出産・子育ての支援」として4745億円が計上されています。都内在住の18歳までの子どもに1人当たり月額5000円を給付する「018(ゼロイチハチ)サポート」に1261億円、さらに結婚支援としてAIやインターネット、交流イベントなどで結婚を後押しするマッチング事業に9000万円などが盛り込まれています。

また「新しい時代を切り開く人材育成」に2532億円を充て、その中には中学校のスピーキングテスト実施に35億円、都立高校でネイティブ講師と1対1のオンライン英会話ができるようにする事業に13億円が計上されています。

「多摩・島しょの持続可能なまちづくり」には2241億円が計上されました。2023年は多摩地域が神奈川県から東京に移管されて130年目です。そのイベント実施のために1億円が充てられました。また、移住や定住を促すため、多摩・島しょの暮らしの体験や地域住民との交流ができる体験ツアーにも2億円が充てられています。

この予算案がどのように審議されていくのか、まずは2月から開かれる都議会に注目です。

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