車いすバスケ日本代表・鳥海、川原が凱旋 パラ「銀」 すご技で魅了 長崎で試合と体験会

【長崎サンライズ―ライジングゼファー福岡】第1クオーター2分、ドリブルで攻め上がるサンライズ長崎の鳥海(右)。左は川原=長崎市、県立総合体育館

 2021年東京パラリンピックの車いすバスケットボール男子で銀メダルを獲得した鳥海連志(パラ神奈川SC、大崎高出身)と川原凜(千葉ホークス、長崎明誠高出身)が企画したエキシビションマッチが29日、長崎市の県立総合体育館で行われ、一流のプレーで地元ファン約500人を魅了した。
 車いすバスケは東京パラ以降、急速に人気を高めている注目競技。現在は鳥海がエース、川原が主将として日本代表を引っ張っている。今回の凱旋(がいせん)イベントは、2人の「地元を盛り上げたい」という提案を受けて実現。県障害者スポーツ協会(土岐達志会長)が主催して、観客席には県内在住者が無料招待された。

試合後、サンライズ長崎のメンバーに囲まれ笑顔を見せる鳥海(前列中央右)と川原(同左)=県立総合体育館

 開会式で、鳥海は「こうして一緒にバスケを楽しめる機会をいただいて本当にうれしい」、川原は「長崎から車いすバスケを発信できる。全力で頑張るので、全力で楽しんでほしい」とあいさつ。2人は地元のクラブチーム「長崎サンライズ」の特別メンバーとして、福岡県のクラブチーム「ライジングゼファー福岡」との一戦に臨み、随所で華麗なパスやシュートを披露した。最後は鳥海のロングパスから川原が速攻を決め、66-57で勝利を収めた。
 長崎サンライズには昨年9月のU23世界選手権(タイ)で鳥海とともに日本の金メダル獲得に貢献した山下修司と溝口良太が在籍しており、それぞれハイレベルなプレーで勝利に貢献。また、女子日本代表の江口侑里(SEAWEST、長崎女商高出身)も来場するなど、この日は世界で活躍する県勢が集まってイベントを盛り上げた。
 試合前に行われた車いすバスケ体験会に参加した山口まなかちゃん(5つ)は、川原と同じく脊椎に障害があり、車いす生活を送っている。イベントで川原や鳥海と触れ合って「かっこよかった」と喜んでいた。
 2月4、5日に諫早市中央体育館で行われるB2の長崎ヴェルカ-A千葉の試合の際も、鳥海が所属するパラ神奈川SCと長崎サンライズのエキシビションマッチが予定されている。


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