ちょっとぜいたく気分も 恵方巻き、ハーフも定着

海鮮をふんだんに使った勘八屋の恵方巻き。手前が「極みの海鮮恵方巻き」、奥が「極みのまぐろ恵方巻き」(和歌山県田辺市新庄町で)

 物価高の中でも、節分(2月3日)の縁起物とされる恵方巻きは「ちょっとぜいたく気分」を味わいたい―。そんな需要に応える商品が登場している。食品ロス削減で予約制や食べ切りやすいハーフサイズも定着してきた。

 和歌山県田辺市新庄町の海鮮レストラン「勘八屋」は、店自慢の海鮮をふんだんに使った2種の恵方巻きを販売する。「極みの海鮮」には、マグロやサーモン、イクラ、タイ、エビとキュウリが入っている。「極みのまぐろ」は、マグロ250グラム、ネギトロ50グラムを使用する。

 食材は予約数に合わせ発注する。普段提供している海鮮丼にも活用できるため、食品ロスは出ないという。勘八屋では「ボリューム満点。ぜひ一度味わってもらいたい」と話している。

 いずれも1本1600円。販売は2月2、3日で、1日までの予約(0739.25.5558)が必要。3本以上の購入で食事券500円分が付く。

 田辺市秋津町の総菜や弁当、スイーツの持ち帰り専門店「to market(トゥー マーケット)」は、「黒毛和牛のローストビーフ」の恵方巻き。ローストビーフはグループの飲食店の看板メニューで、低温調理でしっとりと仕上げる。具材はほかにわさび菜と卵。

 「飲食店では海鮮も扱っているが、ローストビーフは幅広い世代に人気で、独自性も打ち出せる。うちでは恵方巻きの定番で、リピーターも多い。飲食店を知らない方も恵方巻きをきっかけに興味を持ってもらえればうれしい」と話している。

 1本1400円、ハーフ700円。販売は2月3日で、1月31日まで予約(090.3465.0661)を受け付けている。

 恵方巻きは筒状のままかぶりつくのが風習とされるが、多くの店で半分に切ったハーフを販売している。

 「トゥー マーケット」は「子どもや女性など『1本は食べ切れない』という声もある。予約状況も半分はハーフサイズ」という。

黒毛和牛のローストビーフを使った、トゥー マーケットの恵方巻き(和歌山県田辺市秋津町で)

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