コディアック、自動運転トラックにVicorの電源モジュール採用

商用トラック輸送はアメリカ経済の重要な基盤だが、トラックドライバーの確保は年々難しくなっており、アメリカトラック協会の発表によれば、昨年はドライバーが8万人不足したという。業界アナリストの分析では、最初に自動運転技術が大規模に採用される可能性が高いのは、高速道路を走る長距離輸送トラックだとしている。

また経済的な観点でも、トラック輸送の自動運転システムのコストは、100万~200万マイル走るようなトラックでは容易に元が取れるという。人が運転する場合は労働時間の制約から1日に7.5時間しか稼働できないが、自動運転のトラックは稼働率を2倍や3倍に引き上げることができる。停車が必要なのは燃料補給や荷物の積み下ろしのときだけだ。

長距離トラックの自動運転を狙うコディアック

そのような背景のなか、コディアックは、運送会社が所有している車両に取り付ける長距離運転向けの自動運転システムの開発に注力してきた。

自動運転ソリューション「Kodiak Driver」には、SensorPodsというモジュール構成のハードウェアシステムが含まれており、周囲を「見る」ために使うセンサーのほとんどをトラックの通常のミラーの位置に集約させている。ポッドはわずが数分で取り付け・取り外しが可能で、センサーネットワークを再調整するのに、特別な訓練も必要ない。

すでに、「Kodiak Driver」を稼動してダラスからアトランタまでの4往復に成功したほか、2022年8月からは、テキサス州で家具の小売業者IKEAから自動運転による貨物配送を請負い、配送センター(ベイタウン)とIKEAストア(フリスコ)の間を週7日運転している。

自動運転システムに最適なVicorの電源モジュール

コディアックの電源システムには、Vicorの電源モジュールBCM6123、PRM、VTMが使われており、12V、24V、48Vの電源バスを作り、センサーに給電している。Vicorのパッケージング技術「SM ChiP」により、小型で信頼性と効率の高い電源を構成できるという。

システム内のすべてのコンポーネントの電源を制御可能で、コディアックのすべてのセンサーの電圧と電流のモニターから、コンポーネントの健全度を最適な状態にできるようになった。コディアックのプラットフォームには4つの基本の電源バスがあり、特定のセンサー、アクチュエータ、プロセッサに接続する必要がある。各々の電源出力は、独自のCANバスを介してモニターされ、個別に制御される。

さらに、車庫に駐車中にトラックをコンセントにつなぐ48Vシステムのバッテリー充電器が実現。エンジンが稼働していないときでもAC電源からバッテリーの充電ができるため、メンテナンスやエンジニアの作業を屋内ですることが可能となったという。

▶︎Vicor株式会社

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