不適切発注で職員5人懲戒処分 岡山市、県道路肩復旧工事の設計

岡山市役所

 岡山市は30日、西日本豪雨で被災した県道玉柏野々口線(同市北区中牧)の路肩復旧工事の設計で不適切な発注をしたなどとして、40代男性職員ら5人を同日付で減給などの懲戒処分にした。

 市によると工事は2020年8月に完了したが、会計検査院の指摘をきっかけにコンクリート擁壁の強度不足が判明。市は21年3月から昨年5月まで通行止めにし、約4300万円で追加の補強工事を行った。

 その後の市の原因調査で、擁壁設計の構造計算は業者と正式な契約の手続きをせず、職員が口頭で依頼して無償で実施されていたことが判明。また、その内容について職員の精査が不十分なまま別の施工業者に工事を発注していたことなども新たに分かった。

 市は「追加工事と約1年2カ月にわたる通行止めが必要となり、市民生活に大きな支障をきたした」と判断。当時、市北区役所地域整備課で工事に関わっていた職員5人のうち、工事担当者だった40代男性を減給10分の1(2カ月)、上司だった60代と50代の男性を同(1カ月)、50代男性2人を戒告とした。

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