現役時代に欲しかった…監督もうらやむ整形外科医院 埼玉西武、ドーム至近に2024年開業へ 住民も診療

2024年春に開業予定のライオンズ整形外科クリニック完成予想図(埼玉西武ライオンズ提供)

 プロ野球の埼玉西武は30日、帝京大とスポーツ医科学サポートに関するパートナーシップを締結し、アスリートメッドを含めた3社の共同事業「ライオンズ整形外科クリニック」を来春に開設すると発表した。プロ球団による整形外科医院の開業は初の試み。

 同取り組みはトップアスリートと同じレベルの医療サービスを地域住民にも提供するほか、支援強化によって選手のけが予防・けがからの早期回復・パフォーマンス向上を目指す。帝京大の沖永佳史理事長・学長は「安心してスポーツを展開できる地域貢献活動ができれば」と期待を込めた。

 スポーツと医療で地域を元気にすることを目標に掲げるアスリートメッドは2022年、ラグビーリーグワンの埼玉パナソニックの整形外科開設にも携わった。同社の石嶋正幸社長は「これまで培ってきたノウハウを最大限に結集する」と意気込みを語った。

 医院開設のほかにチームドクターの派遣など帝京大と球団は連携を深めていくという。身近な場所で高度な医療提供が行われることに対し埼玉西武の松井稼頭央監督は「非常に心強く感じている。選手のときに欲しかったくらい」と笑顔で話した。

 同医院は所沢市上山口のベルーナドームから道路を挟んだ向かいに開業予定。球団が目指すスポーツを通じた地域貢献が一つ形になりそうだ。

記者会見に参加した(左から)埼玉西武の松井稼頭央監督、奥村剛球団社長、後藤高志オーナー、帝京大の沖永佳史理事長・学長、河野博隆スポーツ医科学センター長、アスリートメッドの石嶋正幸社長=30日午後、所沢市上山口の西武ライオンズ獅子ビル

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