
佐世保海上保安部は26日、長崎県佐世保市の九十九島を運航する遊覧船「みらい」の海難事故を想定した訓練を行い、4機関から約40人が参加した。連携を強化し、迅速な救助につなげる狙い。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、5年ぶりの実施となった。
航行中の「みらい」が海洋生物と衝突し、衝撃で船内に7人の負傷者が出たと想定。通報を受け、救急隊員3人を乗せた巡視艇が出動。船内に乗り込み、重傷者から順に陸上に搬送した。
同海保の山田隆司部長は、昨年発生した知床半島沖の観光船沈没事故に触れ「観光は安全の上に成り立っている」と強調。「(訓練の)改善点などは各機関で検討し、関係機関で共有してほしい」と呼びかけた。「みらい」を運航するさせぼパール・シーの川久保晶博社長は取材に「災害はいつどのように降りかかるかわからないので、日頃の心構えや訓練が重要」と話した。