なぜ日本人がスコットランドで爆増しているのか BBCが特集記事で理由を分析

冬の移籍市場真っ只中にある欧州サッカー界。

そうしたなか、BBCは「なぜこんなにも多くの日本人選手がスコットランド1部リーグにやって来るのか」という特集記事を伝えた。

かつて横浜F・マリノスを指揮したアンジ・ポステコグルー監督が率いているセルティックは、この冬も2人の日本人選手を獲得。さらに、ハーツやマザウェルも日本人選手を補強している。

同紙では、その現状についてこう分析している。

セルティックが比較的安価な移籍金で獲得した古橋亨梧、前田大然、旗手怜央が成功を収めたことで、他のクラブたちも注意を向けるようになった。

これまでは日本人を獲得する際に全く異なる文化に適応できるかという懸念があった。だが、現在は選手層が多様化し、クラブもより多くの情報を得られるようになったことで障壁は低くなった。

ポステコグルー監督も「4人の日本人選手という言い方には注意が必要だ。4人の個人であり、全く違う人間」と話したように、国籍に関係なく同じ選手は2人といないのだ。

イギリスのEU離脱により、大陸間の自由移動は終わりを迎え、スコットランドのクラブが欧州諸国から選手を獲得することはより難しくなった。

英国外から獲得する選手は、内務省の採点システムで15ポイントを得る必要があり、それは代表戦出場数、出身クラブ、給与などの点数で評価される。

スコットランドに来る選手のほとんどは、この基準を満たさないので、運営組織の免除を申請する必要がある。

基本的に日本から来た選手と契約するのはフランスの選手と契約するのと同じくらい簡単になったが、EU離脱以前はそうではなかった。

通常、より多くの金を提供できるリッチな英国や欧州のクラブと競争しているスコットランドのクラブにとって、アジア市場は大きな価値を提供することができる。

FIFAのレポートによると、昨年、ヨーロッパのクラブはアジアサッカー連盟のクラブでプレーする選手への移籍金に平均52,673ポンド(約848万円)しか支払っておらず、これは全連盟のなかで最も安いものだった。

アジアサッカー連盟のクラブからヨーロッパに移籍した選手はわずか500人で、欧州移籍がそれよりも少なかったのは北中米カリブ海サッカー連盟だけ。

つまり、競争が少なく、レートがいいのだ。ブライトンの三笘薫やアーセナルの冨安健洋など欧州5大リーグでプレーする日本人選手の数が増えているため、状況は変わりつつあるかもしれないが、Jリーグは依然としてその価値を有している。

(移籍する日本人)選手たちからすれば、スコットランドのサッカーは、自分の資質を発揮して、異なる文化に適応するための舞台を提供してくれるので、より大きなリーグへ移籍するのための準備期間になる。

ヴィッセル神戸のアンドレス・イニエスタも「(日本の若手選手は)ダイナミックで才能があり、フィジカルも強い」と評しているが、日本人選手は技術だけでなくスコットランドのクラブに商業的チャンスももたらす。

人口1億2500万人の日本は、昨年末のW杯での成功でサッカーへの愛が強まり、最高のタレントたちが海外にますます移籍することで、注目度と関心が高まっている。

スコットランドにとって安価で好選手を獲得できる日本はおいしい市場だと考えられているようだ。

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日本人選手にとってもステップアップのためのいい環境だとしているが…。

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