熱海で3年ぶり梅サミット みなべ町も参加し交流

全国梅サミットで世界農業遺産などについて紹介する小谷芳正和歌山県みなべ町長(静岡県熱海市で)

 第28回「全国梅サミット」(全国梅サミット協議会主催)が27、28の両日、静岡県熱海市であった。和歌山県みなべ町など全国13の加盟市町から関係者が集まり、梅産地の発展に向け情報や意見を交換したり、交流したりした。

 協議会は梅を資源とする市町が、情報交換や人的交流により梅を生かした観光文化の振興や関連産業の発展を図り、地域振興に寄与することを目的に1997年に結成。毎年持ち回りでサミットは開いてきたが、過去2年間、コロナ禍により中止したことから3年ぶりの開催。日本一の梅の産地であるみなべ町からは、小谷芳正町長やうめ課の平喜之課長らが出席した。

 初日には「梅によるまちづくりの可能性について」をテーマに首長会議を開催。各市町の首長が、地域の歴史や取り組み、今後のサミット協議会の役割などについて述べた。

 小谷町長は、世界農業遺産の認定が世界で22カ国67地域、日本では13地域に広がっていることを取り上げ、その一つであるみなべ町と田辺市の「みなべ・田辺の梅システム」の魅力とともに、安定生産をするための対策や耕作放棄地での植樹、健康機能性の情報発信などを続け、次世代に継承していくための保全に取り組んでいることなどを紹介した。

 さらに2024年度にサミット開催が30回になることから、節目として記念イベントを開いてPRすることを提案した。

 その他の各首長からは「みなべ町を中心に、研究を基に梅の機能性について根拠を示し情報発信してくれていることに感謝している。新型コロナウイルス(の感染や増殖の抑制)についても引き続き研究をお願いしたい」「各梅林で、他の梅林の商品を販売したり、PRブースを設けたりして交流してはどうか」「加盟市町のセット販売などコラボ商品を検討してはどうか」といった意見が出た。

 首長らは、初日には講演会や特産品の抽選会、糸川遊歩道の視察、2日目には熱海梅園を視察し、園内で記念植樹をした。

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