「裏社会 走り屋ムービー」にアジアから殴り込み! 『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』パク・ソダムが“心のアクセル”をベタ踏み

『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』© 2022 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & M PICTURES. All Rights Reserved.

性別が男だとか女だとか、国籍が何処だろうが関係ない。誰だってステイサムになれる! そんなメッセージをビシバシと感じられる作品が1月20日(金)から公開中の韓国映画『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』だ!

裏社会走り屋ムービーにアジアから殴り込み

『パラサイト 半地下の家族』のピンポン姉ちゃんことパク・ソダムが、本作では女トランスポーターにアクロバット転職! 裏社会ゴールド免許保持者の彼女が極悪集団に狙われた男児のため、縦横無尽にドラテクを披露していくのが主なあらすじだ。

地元のツレ感が半端ないビジュアルで“ステイサム精神”を全力で発揮していく。奇しくも『トランスポーター』第1作と同様にBMWを駆るわけだが、なんだかんだ言いながら困った人を放っておけないツンデレなキャラ造形も本作と共通している。もう違いは髪があるか無いかくらいだ!

2000年代に入ってから『トランスポーター』『ドライヴ』『ホイールマン ~逃亡者~』『ベイビー・ドライバー』などなど洋物の裏社会走り屋ムービーが生まれてきたが、このジャンルにアジア勢として見事殴り込みを果たしている。

こう聞くとイカしたチャンネーがギンギンに車をブッ飛ばすだけの映画なんじゃねえのか、おい! なんて穿った見方をする人もいるかもしれんが、本作においてはBIGな間違いだ。そこは演技派のパク・ソダム。かつての自分も同じ境遇だったのを重ね、身内のいないチビッコと徐々に心を通わせていく演技を披露! ベタなのは百も承知な上で、観る者の胸のエンジンに火をつけてくれる。

おかげさまで割に合わない仕事どころか、自分の命をも狙われる羽目になってしまうわけだが、芋を引くどころか心のアクセルをベタ踏み! 車はいわずもがな、演技のドラテクも見事な作品だ。

ある意味もう一人の主役、〇〇〇ドライバー

何事も損得で物事どころか人の価値までも判断しがちな昨今。しかし本作は、生きていくうえで職業やら身分やら年収やらは重要じゃねえ。助けが必要なチビッコを見捨てるか見捨てないかで、人の価値が決まる! と感じさせてくれるだろう。

交通ルールはガン無視しても、人としてのルールを無視しないのも本作の重要な見どころだ。カタギではない設定にしても、彼女の姿勢は思わず見習いたくなる。そんな彼女を取り巻く半地下ならぬドラテク家族も良い味を出しているが、個人的に言及しておきたいモノ……いや、キャラがいる。ある意味もう一人の主役ともいえる、工業用のドライバーだ。

映画のタイトルに掛けてると思うのは俺の考えすぎかもしれんが、解錠、エンジン始動、刺突用武器……と使い勝手の良さがパーフェクトなのも本作では見逃せない。(ある意味)パーフェクトな工業用ドライバーが終盤のアグレッシブなバトルを大いに盛り上げてくれる。もし『パラサイト 半地下の家族』のピンポン姉ちゃんがドライバーを持っていてくれれば……とIf展開に思いを馳せてしまうほどのインパクトがあった。

原作・原案として『トランスポーター』の表記はないので、完全に俺の妄言でしかないが、ステイサム精神の換骨奪胎に成功している本作。なんならドラマ、映画で作られたステイサム以降のトランスポーターより、ちゃんとトランスポーターしてると言えなくもない。

鑑賞後、『西にトランスポーターがいれば東にはパーフェクト・ドライバーがいる!』と言いたくなるだろう。俺もAT限定の運転免許をマニュアルに変更したくなった。ともあれ、全国のステイサム系女子必見の作品だ。パク・ソダムが悪党相手に貫く流儀を、ぜひ劇場で見届けてほしい。

文:“DIE”suke

『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』は全国公開中

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