S/Jリーグ 広島ガス バドミントン部 残留かけた戦い

3年ぶりに開催されているバドミントン国内最高峰のS/Jリーグ。広島ガス女子バドミントン部が29日、ブロック最終戦をリーグ残留をかけて戦いました。

雪が残る三重県四日市市で行われたS/Jリーグ。リーグ戦の団体戦は、ダブルス2試合とシングルス1試合で勝敗を決めます。

強豪NTT東日本に勝利し、勢いに乗せたい1勝3敗中の広島ガス。29日は4戦全敗中の山陰合同銀行と戦いました。

1試合21点マッチの2ゲーム先取で、広島ガスは、1ゲームでも奪えば残留が決定する有利な状況。しかし、それがあだとなります。

初戦の第1ダブルスは、エースペアの山藤キャプテンと志波。今季、NTT東日本のランキング上位ペア相手に勝利する大金星で調子を上げていましたが…。

山藤千彩 キャプテン
「相手が後がない形でガツガツくる中で自分たちが引いてしまった部分がすごく多くて…」

序盤は得意の強打でリードするものの、積極的に攻められると苦戦を強いられます。ミスを連発するなど、1ゲームも奪えず、敗戦。一転、ピンチに立たされます。

続くシングルス。今季で引退を決めている元日本代表の下田奈都美は、サポート役に。

今季で引退 元日本代表 下田菜都美 選手
「バドミントンでしか味わえない経験がたくさんできたし、人間的にも成長することができたので、わたしにとってのすごい財産」

引退後は広島ガスのコーチに内定しています。

下田菜都美 選手
「自分が今、目指しているのは、自分を超える選手が現れること。なのでがんばりたいと思います」

シングルスに出場したのは、引退を決めている8年目の濱北もも。

中学時代に福島で震災を経験。学校が閉鎖される中、高校チャンピオンなどを経験した強い精神力が持ち味です。ルーキーのときに河村アナウンサーもインタビューしていました。

今季は下田に代わりシングルスで次々とランキング上位を撃破。NTT東日本戦を撃破する大金星でチームを勝利に導きました。先週も高校総体優勝の吉川天乃を破り、リーグ残留の可能性を高めました。

今季で引退 シングルス 濱北もも 選手
「動けなくなってもいいから絶対、1セット取りに行くという気持ちで行けたので、そこがよかったかなと思います」

その第1ゲーム。序盤から積極的にスマッシュを放ち、強い精神力を見せます。

さらに鋭いカットショットも決めて、一気にゲームポイントを握ると、激しいラリーの末、最後はコート際に落ちるドロップショット。ついに1ゲームを奪取し、この瞬間、広島ガスのS/Jリーグ残留が決まりました。

親子3代にわたってのバドミントン一家で、応援に駆け付けたおばあちゃん…。

濱北もも 選手の祖母
「楽しみでした。ずっとね。ご苦労さんやね」

試合には敗れましたが、笑顔を見せながら応援席にあいさつ。第2ダブルスも敗れましたが、広島ガスはブロック5位。リーグの9位・10位決定戦に回ります。

広島ガス 松藤研介 社長
「何が足りなかったのかということをもう一度、自分自身、チーム自身でしっかり考え直して、気持ちを切り替えて、次こそ期待しています」

山藤千彩 キャプテン
「トップ4を目指してやってきたので、1部残留で満足はしてないんですけど。競った場面で勝ち切るっていうのが、次の、今後の課題でもあると思うので…」

― だいじょうぶです。
「ありがとうございます」

ブロックで5位となった広島ガスは、この時点でS/Jリーグ残留が決定。来月11日に埼玉で行われるS/Jリーグ9位・10位決定戦が今シーズンのラストゲームとなります。このくやしさをバネに最後まで健闘を期待します。

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