エルトン・ジョンの引退ツアーが歴代ツアー最高興行収入を記録

Elton John - Photo: Rob Ball/WireImage

2018年9月に開幕したエルトン・ジョン(Elton John)の引退ツアー“Farewell Yellow Brick Road Tour”が、現在、歴代ツアー最高興行収入を記録している。

Billboard Boxscoreに報告された数字によると、同ツアーは、これまでに行われた通算278公演で、8億1,790万ドル(約1,065億円)を売り上げており、エド・シーランの“The Divide Tour”(7億7,640万ドル)を抜き、Boxscore史上、初めて8億ドルのベンチマークを越えた。

昨年11月、エルトン・ジョンは、ロサンゼルスのドジャー・スタジアムで同ツアーの北米最終公演を終えた。uDiscoverMusicのライターであるパメラ・シュナンは、このLA公演を振り返り、次のように記している。

「3日間のソールドアウト公演は、クロコダイル・ロッカー(エルトン・ジョン)とシティ・オブ・エンジェルズ(ロサンゼルス)の関係を原点に立ち帰らせた。ロサンゼルスでは、ポップアップ・ショップや、ジョンのお気に入りの場所を探して集めるスクラベンジャー・ハント、ドジャーズのユニフォームを着たエルトンの壁画がサンセットストリップに出現するなど、エルトン・ジョンの帰還に向けて熱狂的な盛り上がりを見せた。しかし、この盛り上がりはロサンゼルス在住者だけに留まらず、遠方からも長年のスーパーファンが、この後世界を廻る彼の引退ツアーの北米での最終公演を目撃するために、この街に集結した」

1975年、エルトン・ジョンは、同球場で歴史的な2日間のソールドアウト公演を行なっている。会場にちなんでスパンコールをあしらった特注のドジャースのユニフォーム姿で登場したエルトンは、3時間に及ぶコンサートで多くのスターたちを含む11万人の観客を魅了した。しかし、エルトンとロサンゼルスとの歴史はさらに1970年へと遡る。ウエスト・ハリウッドにあるアイコニックなライヴ会場“トルバドール”で全米デビューを飾った彼は、6晩で8公演を行い、初日にリンダ・ロンシュタット、ドン・ヘンリー、デヴィッド・クロスビーなどの有名人を集め、スターダムへの道を切り開いたのだ。

2022年、エルトン・ジョンはブリトニー・スピアーズとのデュエット曲「Hold Me Closer」で再び世界各国のチャートを席巻した。同年11月には、ピアノをベースに、ブリトニーのヴォーカルを際立たせたアコースティック・ヴァージョンをリリースし、オリンピック金メダリストであるフィギュアスケーターのネイサン・チェンを起用したミュージック・ビデオを公開している。

長年のエルトン・ファンであったネイサン・チェンは、彼の振付師が2019年に大ヒット映画『ロケットマン』を観た後、同年のフリー・プログラムにエルトン・ジョンの楽曲を取り入れていた。そのことがきっかけとなって生まれた今回のコラボレーションで、ネイサンは自ら振り付けたルーティンを披露している。彼は、今年開催された北京冬季オリンピックでもエルトンの楽曲を使用したプリー・プログラムで金メダルを獲得していた。

Written By Sam Armstrong

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