高級時計店強盗、盗品の腕時計を売却 容疑で男女4人逮捕 指示役は「あいと」

京都府警本部

 京都市中京区で昨年5月に高級腕時計買い取り販売店から多数の腕時計が奪われた強盗事件で、盗まれた腕時計を売却したとして、盗品等処分あっせんの疑いで、京都府警が静岡県や埼玉県などの男女4人を逮捕していたことが31日、捜査関係者への取材で分かった。府警は4人がSNS(交流サイト)の「闇バイト募集」に応じて犯行に関わったとみている。

 事件は昨年5月2日、中京区烏丸通蛸薬師下ルの「ビッグムーン京都」で、複数の人物が従業員を脅し、ロレックスなど腕時計41点(6900万円相当)を奪った。府警は昨年7~8月、強盗の疑いで、大阪府や福岡県などの20~40代の男女5人を逮捕した。盗まれた腕時計は、実行犯の一人が運搬中に大阪府内のサービスエリアで何物かに奪われたとされる。

 捜査関係者によると、府警は昨年11月~今年1月、この腕時計を売却したとして別の20~30代の男女4人を逮捕した。4人は昨年5月、ビッグムーン京都で盗まれた腕時計を東京都の時計買い取り店でそれぞれ数点ずつ売却した疑いがあり、売却金は何者かの口座に送金などしたとみられる。

 4人のうちの1人で、盗品等処分あっせん罪に問われた飲食店員の女(21)=静岡市=の初公判が31日、京都地裁であった。検察側は、女がSNSの闇バイト募集に応じ、匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」などで「あいと」を名乗る人物の指示を受け、腕時計2点を計200万円で売ったと説明した。女は「盗品と知らなかった」などと無罪を主張した。

 京都市の強盗事件では、まだ逮捕されていない人物が通信アプリで「ルフィ」と名乗り、実行役を指示していたとみられる。昨年10月以降、東京都稲城市や山口県岩国市などで発生した広域強盗事件でも「ルフィ」を名乗る人物の関与が浮上している。

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