高浜原発3、4号機の蒸気発生器交換を専門委が了承 40年超運転のステップ、福井県は事前了解判断へ

高浜原発3、4号機の40年超運転に向けた蒸気発生器の取り換え計画を審議する福井県原子力安全専門委員会=1月31日、福井県庁

 福井県原子力安全専門委員会の会合が1月31日、福井県庁であり、40年を超えた運転を計画している関西電力高浜原発3、4号機(同県高浜町)の蒸気発生器(SG)取り換えについて審議した。委員からはSG交換時に作業員の被ばくを抑えるなど安全な作業を求める意見が出たものの、交換そのものへの異論はなく、事実上了承した。関電から提出されているSG交換の事前了解願について県は、専門委の意見も踏まえて判断する方針。

 高浜3、4号機は運転開始から37年が経過しており、関電は昨年11月、40年を超えて運転する方針を決定。細管減肉のトラブルが相次いでいるSGの交換も決め、県に事前了解を求めている。

 関電は会合で、耐食性に優れた細管に変更するなど最新の設計を取り入れたSGに取り換えることや、作業員の被ばくを防止するため自動切断工具を使う計画を説明した。

 関電の原発で最後にSG交換が行われたのが1997年であることから、泉佳伸委員(福井大学附属国際原子力工学研究所教授)は「作業の技術伝承はされているのか」と質問。関電の棚橋晶原子力事業本部原子力保全担当部長は「取り換えを行うメーカーは、国内の他社や海外のプラントで2010年ころまでは実施している。技術伝承はされている」と述べた。

 近藤竜二委員(福井県立大学教授)は、SG交換時の被ばくを抑えるよう管理の徹底を求めた。棚橋部長は「配管の内面が汚染されているため、切断時に汚染が広がらないよう、部屋を設けてテレビカメラで監視する」と答えた。

 鞍谷文保委員長(福井大学教授)は「委員会としてもSG交換を求めてきた。今回示された計画は、細管材料の変更などプラントの信頼性向上につながるもの」と述べ、計画を容認する考えを示した。

 専門委の会合は昨年10月以来。オンラインを含め、委員や関電の担当社員ら約30人が出席した。

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